かけらを集める(仮)。

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群馬県立近代美術館所蔵 戸方庵井上コレクション名品展 〜嗚呼しづかなる墨〜  (板橋区立美術館)

群馬県立近代美術館の所蔵する戸方庵井上房一郎の古美術コレクションから絵画69点をセレクトした展覧会.タイトルにあるように一応水墨画が中心だが,金地着色の屏風の2点など,色の付いた絵もわりと出ている.内容的には,中国絵画にはじまり,日本の中世水墨画狩野派琳派,南画,近世宗教画といったラインナップ.浮世絵は北斎の1点のみ.
印象に残ったものを挙げると,赤脚子《鉄拐仙人図》,雪村周継の4点,海北友松《漁村夕照図》《瀟湘夜雨図》,岩佐又兵衛勝以《月見西行図》,伝宗達卯の花図屏風》,光琳《鷺図》,立林何〓《菊図》(〓は「臼」の下に「巾」)など.そうそう円山応挙《鸚鵡図》の変な鸚鵡も忘れてはいけない.
この美術館で,いつも感心するのが,展示のキャプション.お高くとまらず,フレンドリーでいて,必要な情報を与えてくれる.文字数なども展示を見ながら読んでいくのに苦にならない量になっている.もう少し知識がほしい時はカタログを手に入れればいい(価格設定も低めだし).ちなみに本展の案内役は風外慧薫の「布袋」さん.カタログ収録の山田烈「井上房一郎氏と戸方庵コレクション」に「もし(井上房一郎の−引用者)自画像に当たるものを挙げるとすれば,風外慧薫の布袋図がそれであろう」とあった.なるほど.本展カバーガール(!?)の仙突義梵《万才図》中の犬ちゃん(ちらし,カタログなどに登場)ともども,いい味出している.
なお,展示期間中,若干の展示替えがある模様.
【メモ】板橋区立美術館 2006.11/25〜2007.1/14 一般600円 カタログ(P107.図版オールカラー.ハードカバー.1200円.) 企画:安村敏信板橋区立美術館館長) ※会期中若干の展示替えあり.