かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

「生誕130年 川瀬巴水展 郷愁の日本風景」「所蔵作品展 渡邊版 新版画の精華」(千葉市美術館)

川瀬巴水展」メモ
・画面に人物、まれに犬などの動物を配することで感情移入のための入口をつくること。
・雪月花のモチーフを利用するが、たとえば、激しく降る雪・雨によって、画面を半ば遮断すること。
・ある時期まで、名所旧跡を描かないこと。
・クローズアップによって名所旧跡であることがわからない(画面の外のタイトルによってわかる)。知恩院など。
・外国人観光客の視線を意識したエキゾティシズムが潜んでいること。
・観光旅行に出かけることができるような日本人の都市生活者のための擬似的な「故郷」を描くこと。
・同時代の旅行ブーム、あるいは故郷の創出との相関。フィクションとしての「旅情」「郷愁」。
・明治期の立身出世の物語の裏にあった「故郷」から、次の段階、消費される「故郷」へと移り変わってきていること。
・たとえば同時代の文芸との関連。俳諧における写生といった方法との関連。
・やはり、縦長/横長の初期作品のナイーブさに惹かれる。