沖縄
- 格安で成田・那覇往復の航空券を手に入れたので、沖縄に行ってきた。何十年も前に一度、沖縄に行ったことがあるのだが、その時は、石垣島への飛行機待ちの時間を利用して、ほんの短時間観光したのみで、あまり記憶に残っていない。今回は、特に観たい展覧会やコンサートなどのお目当てがあったわけでもないので、観光ということで、世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の構成資産のいくつかと、例によって那覇市内にある博物館、美術館を回ることにした。
世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」 2000年に登録。9つの構成資産からなる。
①今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
②座喜味城跡(ざきみじょうあと)
③勝連城跡(かつれんじょうあと) ○
④中城城跡(なかぐすくじょうあと) ○
⑤首里城跡(しゅりじょうあと) ○
⑥園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん) ○
⑦玉陵(たまうどぅん) ○
⑧識名園(しきなえん) △
⑨斎場御嶽(せいふぁうたき)
※○は今回訪問したところ。
- 沖縄の観光は、那覇市内はともかくとして、基本的に自動車による移動になるのだが、レンタカーではなく、公共交通機関、路線バスを利用すると、1泊2日では、時間が足らず、なかなか思うようにならない。また、天気予報によると、初日の天気がよくないらしく、大まかな計画を立てておいて、天気と時間次第で、その場、その時で適宜予定を組み替えることにした。
- 最寄り始発の成田空港行のバスに乗車。定時の5:10に成田空港T3に到着。最寄りまでは雨が止んでいたのだが、成田空港では土砂降りだった。保安検査場を通過して、163ゲートへ移動。持参の本、吉増剛造『我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ!』を読んで時間を潰す(東京国立近代美術館での吉増剛造展は本当に楽しみだ)。さて、今回は、JetstarGK303(成田6:40→9:35那覇)を利用。ほぼ定時に搭乗が始まり、7:00頃、離陸。機内は空席が目だった。当たり前だが、いつも乗っている飛行機の倍以上の飛行機に乗っていることになる。2時間40分ほど。窮屈なシートは、寝不足でなければ、それほど気にならないのだが、ほとんど寝ていないこともあり、さすがにきつかった。9:40頃、那覇空港に着陸。
- 那覇市内は基本的にゆいレール(モノレール)と徒歩で移動することにした。ゆいレールの那覇空港駅で、フリー乗車券の二日乗車券(48時間有効、1200円)を購入。ゆいレールの初乗りが230円なので、6回乗ればもとが取れる。また、ゆいレールの乗車の他、博物館・美術館や観光施設での入場料金が割引になる特典がついているのも重宝した(ただ、特典が適用になる施設が、ゆいレールの公式サイトで明記されておらず、(ネット上でなんとなくわかったとはいえ、)これは不便だった。)
- 天気予報では、午後から雨が止むということだったが、今のところは、まだ小雨がけぶっている。ゆいレールで、那覇空港駅から県庁前駅まで移動。それほど混んではいない。ゆいレールは2両編成のかわいらしいモノレール。2日間を通して、いろいろな時間帯に乗ったが、ぎゅーぎゅー詰めになるようなことはなかった。那覇空港からの移動も、バスなり、レンタカーなり、自動車で移動する人が多かったようだ。
- 那覇市歴史博物館 280円(フリー乗車券で割引。一般350円)。パレットくもじという商用ビルの4Fの一部を使った小さめの博物館。常設展示の他、企画展として「首里・那覇の石碑拓本 石に刻まれた物語」展を観覧。観光にあたり、ここで沖縄の歴史の概観を学べたのが、この後の観光にいろいろと効いて、よかった。特別展示室の、尚家資料による「琉球国王の衣裳/王族の祭祀道具」展がとても見応えがあった。
- 観覧後、小腹も減ってきたので、同じビルの上の階にあるレストラン街で朝昼を兼ねて、飯にすることにした。ちょうど沖縄料理を出す店があったので、そこに入り1杯目の沖縄そばを食らう。三枚肉そば650円。実は沖縄そばは初めて食べたのだが、1杯目では、まあ、こんなものか、という印象。
まあ、こんなものか...(三枚肉そば、650円/みの家パレットくもじ店)
- 外に出ると、雨が止んでいる。雨降りということだったので、第1日は、当初、博物館などを中心に回るつもりだったが、明日は長い距離を移動することもあり、予定を変えて、今日のうちに、首里城周辺を観光することにした。ゆいレールで、県庁前駅→首里駅と移動。車窓から見えるアップダウンの多い町並みがいい感じ(特に古町駅から首里駅あたり)。モノレールが高いところにあることもあり、町の上空を低空で滑空している気分といったら、ちょっと言いすぎかな。首里駅から首里城までは徒歩。途中、沖縄県立芸術大学の前を通り、円覚寺、弁財天堂、円鑑池などを見てから、首里城へ。
かつて沖縄における臨済宗の総本山だった円覚寺。先の大戦で破壊された。総門は復元されたもの。
放生橋は修復されたもの。
円鑑池と弁財天堂、天女橋
途中で、琉球コーラの自販を発見。早速、Dr.ペッパー寄りの琉球コーラの虜に笑
- 首里城公園 入場料660円(フリー乗車券で割引。一般820円) 守礼門、園比屋武御嶽石門を見学した後、首里城へ。首里城は、無料の区域と有料区域に分かれており、現在の有料区域は行政空間に相当する。ちょうどスタッフによる無料ガイドツアーが始まるところだったので、これに参加した。ツアーは、復元された建物内を順路を回る。要所要所でそれぞれの場所や展示についての説明が行われる。途中、南側に企画展示室があり、最近蒐集された文化財が展示されていた。沖縄戦で、沖縄の遺跡、文化財など多くが失われた上、戦後も多くの文化財が散逸の憂き目に遭ったそうで、現在、予算を組んで、それら文化財の再蒐集を行っているとのこと。その一部が今回展示されていた。3幅並んでいた《闘鶏図》が、とてもおもしろい。また、北殿には、模型やパネルを使った展示があった。正殿の1階部分から足下のオリジナルの基礎部分の石垣が見られるようになっていたのも、興味深かった。
【解説ツアーの順路】
南殿・番所→書院・鎖之間と庭園→奥書院と庭園→黄金御殿・寄満・近習詰所→正殿→北殿
正殿
石垣のシルエットが美しい!
植生だけ観ていると、まるでカーツ大佐の王国かと笑
- その後、首里城から歩いて数分のところにある玉陵(たまうどぅん)を見学。入場料240円(フリー乗車券で割引。一般300円)。東南アジアの石の文化を強く感じるなど。
- 金城町石畳通り 名前の通り、石畳でできた道をゆっくりと下る。途中、ハブに注意の看板あり。沖縄を実感。
屋根を歩いていた猫は、やがて、オレに尻を向けて去って行った。その写真もあるが、掲載しないふん。
- 識名園 急遽、予定を変えたため、すっかり水曜日が休園なのを失念。大失敗。また、今度ね。
- バスで移動 那覇バスの3松川新都心線で、識名園前→県立博物館前(230円)。識名園前のバス停は4カ所あって、どこで乗ったらどこに行けるのか、ちょっと迷ったが、バス停記載の路線を一渡りチェックしたおかげで、那覇BTに戻るのではなく、県立博物館方面に行くバスがあることを知り、これに乗車。県立博物館・美術館は明日のつもりだったが、まだ、時間的に余裕があるので、どちらか片方でも観ておこうと思った次第。
- 沖縄県立博物館・美術館 名前の通り、一つの建物の中に、博物館と美術館が入っている。建物は、なにやら要塞のような、あまり見栄えのよい建物ではなかったが、それでも内側に入ると、幾分瀟洒な感じがしないでもない。野外展示もあり、なかなかおもしろい。美術館では、コレクションギャラリーで、ニューコレクションシリーズ「宮良瑛子展 いのち」と「沖縄美術の流れ」を観る。まだ、多少時間があったので、続いて、博物館で、常設展(総合展示)を観覧。文化系と自然系が融合した展示内容。なお、入場料は、両館ともにフリー乗車券で割引ありで、博物館常設展が330円(通常410円)、美術館コレクション展が250円(通常310円)だった。
- おもろまち→美栄橋 博物館・美術館に隣接の公園のベンチで一休みした後、ゆいレールのおもろまち駅まで歩き、ホテルのある美栄橋まで移動。ホテルまで歩く。5分ほどか。腹が減ったので、途中にあった沖縄そばの店に入ってみる。
沖縄そば2 沖縄そば、けっこうおいしいかも...(ソーキそば520円+ジューシーのおにぎり80円/やまや)
- 今回は、まあ、できるだけ低予算で行こうと(いつも同じだが)、ホテルエアウェイというビジネスホテルにとまった。Wi-Fiなども問題なく、部屋もきれいで、なかなかよかった。朝食付きもありがたかった。