かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

企画展「くらべる古美術 見て考える美術のひみつ」[後期]、常設展(埼玉県立歴史と民俗の博物館)


埼玉県立歴史と民俗の博物館へ行ってきた。ここは今回が初めて。
行きは、最寄り駅の東武大宮公園駅から歩くことにした。ということで、大宮経由ではなく、最寄り→新越谷/南越谷→春日部→大宮公園、というルート。所要時間は同じぐらいだが、こちらの方が若干電車賃がかからない。博物館は、駅からは歩いて5分ほど。朝メシ抜きで来たので、駅前のスーパーでパンなど仕入れ、入館前に公園で食べる。
今回のお目当ては、企画展の「くらべる古美術」展。別の美術館で見つけたこの展覧会のちらしに割引き券がついていた。これを利用して100円引きの300円で入場。これで、常設展も併せて観られる。
「くらべる古美術」は、夏休みの、主に子どもを対象とした展覧会で、館蔵品による古美術(近世以前の美術ぐらいの意)入門。キャラクターによる対話形式の丁寧な説明などわかりやすい展示で、構成にも工夫があった。大人が見ても、古美術入門としてはなかなかよかったのでは。
出品作にも心引かれるものがいくつもあった。いくつか挙げると、平安時代の5躯揃った《五大明王像》[越生町黒岩区]や、北斎《鯉亀図》(これは何度か観たことがある)、海北友雪《一の谷合戦図屏風》[紙本着色・6曲1双]などなど。展示替えで、《太平記絵巻》の現物が見られなかったのは、ちょっと残念。あと、実際に農家で架けて、ネズミ除けに使っていたという岩松徳純の猫絵も、何幅か出ていて(掛け軸仕立て)、これもおもしろかったなと。
続いて、常設展を観覧。ところどころに展示替えをする特集展があり、円空仏などが見られた(昨年の円空展を見逃したのは、失敗だった)。B1Fの板碑を展示していたコーナーなど、なかなかよかったかと。
加えて、前川國男による建築がよかった。内装など、あまりプレーンでニュートラルな建物ではないので、展示などにはちょっと苦労しそうではあるが、エントランスなどの空間や、階段などから区切って見える外の景色など、なかなか柄が大きく、いい感じだった。これまでにも、前川國男建築としては、東京都美術館をはじめ、福岡市美術館熊本県立美術館、山梨県立美術館などなど、わりと訪問しているのだが、あまり、いいなと感じたことはなかったのだが、今回はずいぶんとおもしろかった。おそらく、先日、東京都美術館で観た杉戸洋展の影響もあって、多少は観る目ができたか笑。ただ、老朽化が進んでおり、傷んだ箇所など、立ち入れないところも多くなっていたのは、ちょっと残念。



中庭に《女神の像》が設置されていた。銅像好きには気になるところなのだが、中庭は、非常時以外立ち入り禁止なので、エントランスロビーから眺めるのみ。解説板が設置されているが、見られなかった。ネットで調べてみると、この銅像、もともとは旧埼玉会館の時計塔の上に立てられていたそうだが、訳あって(どういう訳かは?)、博物館の中庭に移されたとのこと。なお、1966年に建て替えられた、現在の埼玉会館前川國男建築。

帰りは、大宮駅まで歩くことに。大宮公園を抜けるのだが、ちょっと道がわからず、勘を便りに、池の周囲を歩き、児童遊園地の脇を通り、サッカーを観に来た人の列を横目に、氷川神社に至る。いささか暑く、へばる。氷川神社参道を歩き、大宮駅まで。木陰が気持ちいい。
せっかく大宮まで来たので、駅前で、藤村龍至建築の「OM TERRACE」を見学。テラスで一休み、と行きたいところだったが、夏の日差しがあまりに強く、暑くて無理だった。


大宮駅近く。中央分離帯にライオンが…

OM TERRACE

京浜東北線北浦和まで移動。事故で電車のダイヤが乱れていた。