かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

防府→宇部


毛利氏庭園


ときわ公園にて。

  • 7:00過ぎに起床。カーテンをあけると、青空が広がっている。今日もいい天気。ありがたい。身支度をして、1Fの朝食会場へ。空いていた。ごはん、味噌汁、納豆、生卵、生野菜、漬け物、にお総菜少々といったところ。食後にコーヒー。再び、部屋に戻り、一息ついてから、出発。
  • 一度、防府駅まで戻り、駅構内の観光案内所で、自転車をレンタルする。4時間以内、200円(電動自転車もあり。こちらは300円)。うろうろしつつ、20分ほどで、毛利博物館・毛利氏庭園に到着。


防府・いなづま号

  • 毛利博物館・毛利氏庭園は2度目の訪問。以前、YCAMに行く際に立ち寄ったことがある。といっても、前回は国宝展ではなかったので、《山水長巻》は観ていない。毛利邸の観覧は後回しにし、奧の方の、展示施設へと進み、なによりはと《山水長巻》を観覧する。まだ朝早いためか、ほとんど人もいない。ほぼ独り占め状態で、じっくりと繰り返し観ることができた。まあ、よかった。落ち着いたところで笑、他の展示もゆっくりと観覧する。「古今和歌集(高野切本)」などに心引かれる。
  • ひとわたり展示を観た後、あらためて、毛利邸や毛利氏庭園を観て回る。この頃になると、ぼちぼちと観覧客も増えてきた。庭園に比べると、博物館・毛利邸のお客は少なかった。内容に興味がないと、やはり1000円という金額は出せない、ふらっと立ち寄るのも難しい、ということなのだろうか。博物館・庭園のセット券で1200円。


毛利邸の中庭。






毛利邸と毛利氏庭園。※庭園の方は、氏、がつくらしい。

  • 時間に余裕があったので、自転車をもう少し乗り回してみる。周防国衙跡→馬神社→周防天満宮、と回り、最後に駅周辺の野外彫刻を探る笑 12:00頃、観光案内所に自転車を返却。


国衙跡。碑や詳しい解説板もあったが、大方は遺跡跡の野っ原だった。

国衙跡の石碑の隣に砲弾があった。日露戦役記念とある。

馬神様。解説板によると、寛政年間、風邪や神経痛で苦しむものが多く出たために、この地の住人が藁で馬を作り、供えたところ、ことごとく治り、以来、遠方からも参詣が絶えなかったと伝えられているとのこと。正式名称は石人社、祭神は少名彦命。御利益は「男性」が強くなる、だそう。お参りしました笑



防府天満宮と牛。

  • 防府12:22→12:38新山口13:12→13:48常盤、と山陽本線宇部線を乗り継ぐ。670円。新山口で、30分以上、時間があり、どうしたものかと思っていたのだが、すでにホームに電車が入っていたので、これに乗って、本を読んで、出発を待った。時間通りに常盤駅に到着。常盤駅から海がすぐそばで、行ってみたい気もしたが、ホームから眺めるにとどめ、今回は、先を急ぎ、ときわ公園に向かうこととした。公園までは徒歩で15分弱といったところ。



常盤駅にて。ホームから海が見える。海水浴場らしい。

道筋はこんな感じ。

  • ときわ公園では、ときわ湖水ホール・アートギャラリー→石炭記念館→常盤神社→ときわミュージアム/UBEビエンナーレ彫刻の丘と見て回る。常盤湖は、灌漑用水確保のため、元禄年間に作られた人造湖で、大正年間に、周辺の土地が地元の実業家らから市に寄付され、公園として整備された。その後、温室、彫刻美術館、動物園、遊園地などが作られ、現在の形となった。
  • まずはじめに、ときわ湖水ホールにあるアートギャラリーを訪ねた。もちろん、道筋には、野外彫刻が随所に設置されている。キャプションのタイトルと制作年代を追うならば、美術史の主流とはちょっと違ったもう一つの現代彫刻史が見えてくる。とか、思いつつ、見て回る。ときわ湖水ホールにあるアートギャラリーでは、「パラモデル・ハヤシヤスヒコ企画展 The Play」が開かれていた。水道管を組み合わせた、立体作品。1室はパイプによるオブジェと光をあててできたその影(形態が全く異なる)を楽しむ作品。もう一つは、展示室いっぱいに増殖した巨大な立体作品。いかにも、パラモデルらしい空間だった。コレクションの中から名作を展示する室もあり、中原悌二郎、荻原碌山高村光太郎といった近代古典の作品が展示されていた。そして、もう一つ、興味深かったのは、宇部市内に初めて設置された、ファルコネ《ゆあみする女(レプリカ)》が展示してあったこと。下に、解説板も併せて掲載しておく。ちなみに、アートギャラリーは無料。



  • 続いて、石炭記念館を観覧。ここも無料。石炭記念館なので、すぐ前に、荻原碌山《鉱夫》が設置されていた(ちょうど清掃作業中でじっくりと観られなかったのはちょっと残念)。宇部の石炭産業の歴史など。続いて、野外彫刻を見つつ、常盤神社へ。


石炭記念館


彫刻はこんな感じに設置されている。

  • そして、最後にときわミュージアム/UBEビエンナーレ彫刻の丘を観覧。ここも無料(ときわミュージアムのうち、植物館は有料)。先のファルコネの像の解説板にもあったが、宇部市では、戦後、生活空間の美化を目指す市民運動の一環として「宇部を彫刻で飾る運動」が興り、これを受けて、1961年に宇部市野外彫刻展が開催、名称を変えながら、ビエンナーレ形式での開催を続け、現在ではUBEビエンナーレの名称で、野外彫刻の国際コンクールとして続けられている、とのこと。この間、展覧会を通じてのコレクションの蓄積が、園内、さらには宇部市内の各所に、設置されている彫刻作品群ということになる。今回の訪問時には、折しも、第27回UBEビエンナーレ現代日本彫刻展)が開催中だった。公募により集まった作品構想を模型により審査、その審査を通過した作品が実際に制作・展示される。UBEビエンナーレ彫刻の丘が、その会場で、今回は18作品が展示されている(他に、模型の展示も行われている)。会場には、過去の作品ももあり、なかなかバラエティに富んだラインナップで、興味深く観ることができた。


UBEビエンナーレ彫刻の丘は、大きなマス目のような展示空間に、それぞれ1点ずつ作品が展示されていた。

向井良吉《蟻の城》(1972)(と、オレの影)。《蟻の城》は、ときわミュージアムのシンボル的な作品。

>参考:彫刻とうべ
>参考:市街地の彫刻
>参考:ときわ公園の彫刻

  • ぼちぼちと日も暮れてきたので、空港に向かうことにした。ときわ公園から空港までどうやって行くか、バスはあるのか、などといろいろ検討したのだが、何のことはない、歩くのが一番楽だった。ただ、最短の道のりで歩くと、けっこう細い道を通るので、暗くなってからだと迷わないか、どうかがちょっと心配。なので、少し時間が早いが、陽のあるうちに、ときわ公園を後にした。
  • 途中、コンビニに寄ったりしたが、まっすぐ行けば、空港まではだいたい20分強もあれば歩けた。暗くなるまで間があったので、空港隣のふれあい公園に立ち寄ってみる。もちろん、数基の野外彫刻が設置してある。また、ちょっとした山があったり、野鳥のためのサンクチュアリがあったりと、ランドスケープも意外に凝っており、なかなか楽しい。ランニングやウォーキングをする人や、犬を遊ばせに来る人がけっこういた。サンクチュアリのある大きな池が、山口空港の滑走路に張り出していて、ぐるっと1周してみる。この辺りで、日が沈み、寒くなってきたので、空港に行くことにした。飛行機まで、大分時間があり、まあ、することもないので、静かで楽そうな席を探して、本を読んで時間を潰す。


道筋はこんな感じ。

ふれあい公園。だいぶ暮れてきた。

  • 帰りは、ANA3816便で、これもStarflyerの機材による共同運航便だった。A320と同じ機種だったが、行きの便と少しだけシートのデザインが異なっていた。山口宇部20:00→21:40羽田の予定で、ほぼ予定どおりの運航。21:35に羽田の駐機場に止まり、バス移動。21:45前には到着ロビーにでた。22:00発のバスに乗ることができた。23:00過ぎには無事に帰宅。