かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

秋田→青森


  • 秋田と青森に行ってきた。青森県立美術館で開催中の大規模な回顧展「棟方志功」展を観ることが目的。飛行機往復のフリータイプのツアーを利用した(新幹線は、オレにとっては最後の選択肢苦笑)。青森往復では芸がないので(割増料金も取られるし)、今まで行ったことない秋田に立ち寄ることにした。藤田嗣治《秋田の行事》を観ておきたかったこともある。秋田から青森の移動は電車を利用することにした。バスもあるのだが、1日1本しか走っていないので、これは却下。当初、奥羽本線(3350円、3時間40分)で行くつもりだったが、海辺を走る五能線経由がおもしろそうだ、ということもあって、秋田から青森の移動は、リゾートしらかみに乗ることにした。現地では、天気もよく、無事に予定もこなすことができ、楽しい旅をすることができた。
  • 先にも書いたが、今回はフリープランのツアーを利用した。羽田空港秋田空港青森空港羽田空港の飛行機のチケットと、青森でのホテルの宿泊を組み合わせたもので、25000円ほどだった。空港まで、空港からの交通費がわりとかかるので、それほど格安という感じはしないのだが、まあ、北東北だと、LCCもなく、もとより夜行バスは体力的に辛いし、新幹線でも時間がかかる上に、高価なので、飛行機によるツアー利用を選択することになる。
  • さて、5:20発のバスで羽田空港まで。いつものように、寝ないままでの出発となった。1時間ほどで羽田空港に到着。JAL利用なので、T1で下車。早々に保安検査場を通過して、31ゲートで待機。少し時間があるので、本など読んで、時間を潰す。待合室はいっこうに混み出さない。7:00過ぎに搭乗開始。バスで駐機場までの移動。飛行機は737−800。LCCばかりに乗っているオレとしては、座席などじゅうぶんに広く、快適だ。飛行機は、空いている。窓際のA席だったのだが、B・C席は空いていた(一列6席の場合、飛行機にもよるが、JALは、(窓)ABC(通路)IJK(窓)、になる)。定刻通りに駐機場を離れ、離陸、1時間ほどのフライトの後、着陸、8:25頃に飛行機を降りた。8:50発の秋田市内行きのリムジンバスに乗車し、秋田駅西口で、9:30頃、到着。900円。
  • ひとまず、駅の構内の様子や観光案内所などをチェックして、みどりの窓口で「五能線フリーパス」3810円を購入する。これは、五能線経由の秋田−青森間が2日間自由に乗り降りできるバス。今回は途中で乗り降りもしないし、この日一日しか使用しないのだが、五能線経由の秋田→青森の乗車券が4430円になるので、このパスを利用することにした。
  • その後、最初の目的地の秋田県立美術館まで歩く。10分ほど。まだ、オープンしていなかったので、すぐ近くのロでコーヒーを買って(JALのチケットを見せると1杯無料で飲めた)、オープンするまで、美術館前のベンチで(早くも)休憩。


秋田県立美術館

奧に見える時計のある建物が旧・秋田県立美術館(平野政吉美術館)

  • 秋田県立美術館 この美術館は、秋田の実業家で、主に、藤田嗣治と交流のあった美術品の大コレクター、平野政吉(1895〜1989)のコレクションを、展示するための美術館で、県立美術館としては、わりと小さめの美術館。2Fにその目玉である藤田嗣治の壁画《秋田の行事》[1937]を展示する大壁画ギャラリー、3Fに各種展覧会に用いる県民ギャラリーがある。設計は安藤忠雄で、2Fには、千秋公園に面したラウンジがあり、美しい水庭を眺めることができる。運営は、財団法人平野政吉美術財団が行っている。
  • 藤田嗣治《秋田の行事》、「平野政吉コレクションの精華」 2Fの受付でチケットを購入し(310円)、順路に従い、「大壁画ギャラリー」から観覧。入口の正面、やや高いところに作品があった。他に、藤田の作品や、制作の様子を再現した模型などが展示してあった。続いて、3Fに上がる。3Fにはバルコニーがあって、ここからも《秋田の行事》が観られるようになっている。展示室には、平野政吉コレクションによる「平野政吉コレクションの精華」展が開催されていた。平野政吉コレクションから西洋絵画や明治期の洋画、近世期の洋風画などが展示されていた。近世期の洋風画(展覧会では「日本初期洋風画」と称していた)のコーナーでは、秋田蘭画に加え、司馬江漢や亜欧堂田善の銅版画、安田雷洲の奇怪な《気嶂懸泉図》など、なかなか興味深く観ることができた。近世絵画のコレクションがこれほどあるとは知らなかった。前期には、沈南蘋や宋紫石の絵なども展示されていたようだ。こちらも観たかった。豊田市美術館のものに近い、岸田劉生の自画像もあった。
  • 余談になるが、秋田市には、この美術館から徒歩数分(秒?)のところに、秋田市立千秋美術館がある。今回はパスしたが、オレ的にはいわゆる秋田蘭画のコレクションが気になっている美術館だ。その秋田蘭画のコレクション展「秋田蘭画の世界」は6月3日から開催とのこと。ちょっと残念。
  • 秋田市立佐竹史料館と千秋公園 続いて、美術館の向かいにある、千秋公園へ。少し小高い丘の上の城跡が公園になっている。途中で、秋田市立佐竹史料館へ入館。入場料は100円。久保田藩秋田藩)佐竹氏にまつわる史料や武具などの常設展の他、企画展「文化薫る秋田藩文人展」が開催中だったので、併せて観覧。


秋田市立佐竹史料館



ちょっと1時間ほど、猫ストーキングしてしまった笑

  • 秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)・旧金子住宅、赤れんが郷土館・勝平得之記念館 を観覧。共通観覧券250円を利用。


赤れんが郷土館。向かって左奧に勝平得之記念館があり、両館は通路でつながっている。

  • 赤れんが郷土館から秋田駅まで、ぶらぶらしつつ、歩いて戻ることにした。日差しが暑く、日陰を選んで歩く。ぼちぼち小腹も減ってきたので、駅近くのラーメン屋に入ってみた。末廣ラーメン本舗秋田駅前分店。秋田に本店があるラーメン店の支店。中華そば(並)700円を注文。京都の新福菜館にルーツがあるそうで、なるほど、スープは黒くてしょっぱい笑 具は、大量のチャーシューと、ねぎが少量はいっている(カウンターにねぎのどんぶりがあり、自由に追加できる。もちろん大量に追加笑)。繊細とは対極にあるようなスープなのだが、たまに食べたくなるような味ではある笑 その後、駅に戻り、5時間の電車の旅に備えて、駅ビルや売店で、駅弁とおやつなどを購入。


撮影後、ねぎを大量投下!

  • リゾートしらかみ5号 リゾートしらかみは、全席指定の観光列車だが、乗車券の他には、指定席券(510円)が必要なだけ。区間内では、快速運転で、途中、景色のよいところでは、スピードを落とすなどの対応があった(車掌さんのぎこちない解説もあり笑)。列車によっては、語りべの津軽昔話朗読や、津軽三味線のデモンストレーションなどもあるようだが、今回乗車した便には、特になかった。名物やグッズなどの車内販売もある(販売員さんが4両編成の列車をひっきりなしに往復。ちょっと気の毒なぐらいだった)。観光列車ではあるが、この区間の列車本数が少ないので、観光目的でない人も若干利用していた。この列車、運転手と車掌が4組(も)、途中で交代していた。また、途中で何度か先頭車両が変わる(進行方向が変わる)のだが、五能線区間はA席が海側の窓側席になる。編成が3種類ほどあるので、1人旅のときは一応注意が必要かも。



秋田駅リゾートしらかみ5号(くまげら編成)

車窓から。八郎潟駅。序盤、左手に八郎潟の広大な田園風景が広がっていた。


東能代駅の待合室は、くまげら編成仕様。いよいよ五能線へ。

車窓から。贋・海景。五能線深浦町付近。(Wi-Fiが入っていたわけでもないのに、写真を撮ったら、位置情報がきちんとついていたのだけど...謎!?)

車窓から。五能線に入ると、ところどころ奇岩を配した海辺の景色が広がる。


車窓から。終盤、鰺ヶ沢駅を過ぎたあたりから、右手に岩木山が見え始めた。


夕食は秋田駅で買った駅弁、鶏めし(花善)、880円。本来は大館駅の駅弁らしい。なかなかおいしく、(相対的に)安いので、どこの駅でも人気ナンバーワンだった。

5時間かけて、青森駅に到着。

  • 青森駅に到着。コンビニ寄って、ホテルにチェックイン。