かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

小沢剛「不完全 パラレルな美術史」(千葉市美術館)

2フロアをすべて使った小沢剛の大規模展。これまでの小沢剛のプロジェクトの中から、美術、美術史に関わるプロジェクトを、新作も含めて、構成したもの。平易でいて、かつ、この国の美術の過去と現在と未来を深く考えさせる展覧会。展示されたプロジェクトは以下のとおり。石膏像を使った新作インスタレーション《不完全》(1918)、「金沢七不思議」(2008)、鶴田吾郎の戦争記録画《神兵パレンバンに降下す》(1942)に基づく「す下降にンパンレバ兵神神兵パレンバンに降下す」シリーズ(2017)、「帰って来たペインターF」(2015)、「油絵茶屋再現」(2011)、近作を含む「醤油画資料館」(1999)、そして、「なすび画廊」「新なすび画廊」シリーズから。新作を除くと、見たことのあるものも多かったが、会場が変わると、見えてくる角度も少し異なるのか、それぞれ新作のようにおもしろく見ることができた。例えば、「帰って来たペインターF」は、設置こそシンプルになっていたが、映像は大きなスクリーンでの映写で、集中して見られたのがうれしい。坂出まで行って見た、醤油画資料館も、現代美術方面の近作が加わり、美術偽史が更新され、楽しかった。大学の先生になったこともあってか、以前に比べ、「美術史」とか、「教育」とか、が基盤にあるという印象が強くなったとも。
この他、1Fのさや堂で、さや堂ホール展示プロジェクト 林勇気×SjQ「遣り取りの行方」を観覧。2月3日の林勇気×SjQライブに行けなかったのは残念。地元でSjQが見られたのだが…