かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

(承前:7月27日の続き)伊東→沼津→三島


沼津で歩道橋を渡っていたら、夏の富士山が見えた。

  • 彫刻放浪:沼津編 伊東駅に戻り、10:16発の熱海行きに乗車。10:39に到着。ここで、東海道本線下りに乗り換え、11:14発の沼津行きに乗る。当初は、三島で降りて、クレマチスの丘に行く予定だったが、1時間ほど早くなり、三島でクレマチスの丘行きのシャトルバスを延々と待つのももどかしいので(次のシャトルバスは13:00発)、先に沼津に行くことにする。沼津には11:33に到着。沼津は何度も乗り換えたことはあるものの、駅から出るのは今回が初めて(だと思う)。野外彫刻がお目当てだが、事前調査では、野外彫刻マップなどは見つからず、ネット上の断片的な情報や、gmで見つけたいくつかの野外彫刻を、地図上で整理して、観て回ることにした。それにしても、「ラブライブ!」シリーズの第2作「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地だそうで、商店街ののぼり・旗類はそれ1色で、いささがたじろぐなど(笑) こちらが気になり、もう野外彫刻などどうでもいいや(嘘)


駅前の野外彫刻。タイトル、作者などは不詳だが、台座銘板に「若し原子力より大きい力を持つものがあるとすれば、それは愛だ。愛の力以外にはない。 井上靖」とある。井上靖は、静岡県立沼津中学校を卒業している(中学生時代のことは『夏草冬濤』の題材になっている)。他にも、沼津の町を歩いていると、いくつか井上靖の文学碑を見ることができた。




沼津仲見世商店街(香香飯店前)の、山本正道《みちくさ》(1987/1987.9設置)。仲見世商店街振興組合が、沼津市と国際ソロプチミスト駿河の協力で設置。

  • 彫刻放浪:沼津編/さんさん通り 駅前のメインストリート、さんさん通りの、大手町交差点と通横町交差点間の歩道に、沼津市出身の彫刻家、石渡三夫(いしわたみつお/1952〜)の作品がいくつか設置されていた。1995年から1997年にかけて制作・設置されたものとのこと。


西側歩道の北から。《積乱雲》(1994)

《仲間》

掲示板の上に、かもめが

もう1羽、こちらは舞い上がるところか。

《読書》


続いて、東側歩道の北から。猫が1匹。

《読書》

《遺跡》

《仲間》(1997)

お稲荷さんも。これも石渡作品か? 東側に道を折れて、狩野川まで歩くと、上土朝日稲荷神社がある。実は、この像からさらに南側にもう1基、《燦々》という作品があったのだが、つい見落としてしまった。失敗。→追記(2018.8.16記):8月13日に再訪。

  • 沼津市市民文化センター周辺の野外彫刻 中央公園を抜けて、狩野川を渡り、香貫公園に出る。この辺りには野外彫刻は見当たらない。市役所周辺を見て(いくつかそれらしきものはあったが、掲載は割愛)、適当な昼食を適当に食らい、香陵公園/沼津市市民文化センター周辺を観て回る。数基の野外彫刻があった。


和田金剛《阿吽》。像の裏に「阿ハ開口ノ始声 吽ハ閉口ノ終声 金剛」とある。なお、和田金剛(1907-1982)は沼津市出身の彫刻家で、主に官展−日展で活動。先ほど観てきた石渡三夫の師匠。




朝倉響子NIKE》(1981)


佐藤忠良若い女・夏》(1972)


《平和祈念之碑》(2007.4.3設置)。香陵同窓会による。香陵公園/市民文化センターは、旧制・沼津中学校(現・沼津東高校)の跡地。なので、この他に、沼津中学出身の井上靖の文学碑などもあった。


沼津市立勤労青少年ホーム前の、《希望の像》(1978.9設置)。創立10周年記念像。制作は山田勇

  • 《友情の像》と沼津市立図書館前の野外彫刻



沼津警察署前(Y字路)の、《友情の像》。1954年(昭和29)5月5日の早朝、家の手伝いでリヤカーで薪を運んでいた少年とその少年を助け、リアカーを押していた友人の少年の二人に、酔っ払い運転のトラックが衝突して、2人が死亡するという事故が起きた。この事故で亡くなった2人の少年の死を悼み、交通安全を願う祈念像。オリジナル?は60年以上前に建てられたようだが、2004年5月5日に台座・説明板なども含め、補修?、リニューアル?が行われたようだ。像の制作は大場加代子。(像自体については、いまひとつよくわからないので、間違っているかも。)



沼津市立図書館前の、堤直美《出会い》(1995.9.27設置)。沼津駿河ライオンズクラブが創立10周年記念に寄贈。

  • そろそろ時間切れ(の上、暑さにへばった)。他にも、いくつか野外彫刻のあることを知っていたが、これらは次回を期したい。三島まで移動して、クレマチスの丘行きの15:00発の無料シャトルバスに乗車する。20分ほどで到着。
  • ヴァンジ彫刻庭園美術館 この美術館に来たのは、5回めか、6回めのこと。今回のお目当ては、企画展「須田悦弘 ミテクレマチス」だが、この美術館の展示の中核であるジュリアーノ・ヴァンジの作品も楽しみだった。ジュリアーノ・ヴァンジ(1931-)は、イタリアの彫刻家で、常設展示では1995年にフィレンツェのフォルテ・ディ・ベルヴェデーレで開催された大回顧展で出品された屋外大型彫刻を中心に、2002年の開館に際し制作されたサイトスペシフィックな作品や、来日の度に加えられた作品などを、美術館の前庭、館内、庭園で展示している。1960年代から2009年までの彫刻家の作品を追うことができ、質・量とも見応えのあるものとなっている。須田悦弘の企画展はインスタレーション、というよりも、美術館(の建物)を花器に見立て、木彫による繊細な草花を活けている、という印象。打ちっ放しのコンクリートから細い茎に美しい花つけた彫刻がひっそりと咲いているさまにはいつも目を見張らされる。



前庭の彫刻

庭園の彫刻




プリマヴェーラ》(2009)


最後に、東京駅八重洲中央口コンコースの、圓鍔勝三《仲間》。人が多くて、無理矢理撮ったので、ぶれていますが…