かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 京都国立博物館・平常展

続いて,近鉄で京都に移動して,京都国立博物館で平常展の絵画関係の展示を見ました.『坂本龍馬』展はパスです.相変わらずおもしろいものが目白押しでしたが,私として特筆すべきは11室(近世絵画)でしたね.以下,具体的に挙げてみます.

  • 元信印〈京洛年中行事扇流図屏風〉紙本着色・6曲1隻 室町時代16c [京都/光円寺] 1扇に4面,合計24面の扇が貼付されています.扇はいずれも金地でほとんどが京都の年中行事・祭礼を描いたものです.屏風には,波に芦,千鳥がいっぱいに描かれ,扇の背景となっています.扇には元信印が押されていますが,解説パネルでは,狩野派工房の作と推定.〈月次風俗図扇面流し屏風〉とも呼ばれています.これは京博サイトの展示リストになかったもので,以前から見たいと思っていたものです,ちょっと得した気分.
  • 筆者不詳〈洛中洛外図屏風紙本金地着色・6曲1双 桃山時代 [京博] 三十三間堂が三十二間ぐらいに描かれていました.解説によると象が描かれている唯一の洛中洛外図とのことでしたので,しばらく探してみたのですが,とうとう発見できませんでした.残念.
  • 筆者不詳〈洛中洛外図屏風紙本金地着色・6曲1隻 桃山時代 [京博] もと一双屏風のうちの左隻です.二条城が画面の中心に描かれていました.第2期定型ということになりますが,解説によると早い作例(慶長10年代の前半)となっていました.また,可能性のある絵師として,狩野光信の名前が挙がっていました.
  • 狩野派〈社頭風俗図屏風〉紙本着色・2曲1隻 桃山時代 [個人] 引き手の跡から,もと4枚襖のうちの2枚襖と推定されています.名古屋城障壁画のうちの〈風俗図障壁画〉との類縁性が指摘してありました.そういえば,印地打ちの場面など,たしかに似ていますね.愛宕山の麓,今の鳥居本の景と推定してありました.
  • 筆者不詳〈祇園祭礼図屏風〉紙本金地着色・6曲1双 江戸時代17c [京博] タイトルの通り,祇園祭を描いた1双屏風です.解説では土佐派・狩野派以外の町絵師の作と推定してありました.
  • 住吉具慶〈洛中洛外図屏風紙本金地着色・6曲1隻 江戸時代17c [個人]
  • 筆者不詳〈四条河原遊楽図屏風〉紙本金地着色・2曲1隻 江戸時代17c [個人]