かけらを集める(仮)。

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「真田と諏訪 信濃の武将たち」、常設展示・御頭祭展示(茅野市神長官守矢史料館)



神長官とは、諏訪大社に仕える主要な神官の一つで、代々守矢家が仕えた。この史料館は、その守矢家に伝わる文書などの歴史的史料などを保存するとともに、それら史料や、諏訪大社の主要な祭祀の一つ、御頭祭(酉の祭)の(江戸中期の)復元などを展示している。入館料、100円。
建物は、建築史家の藤森照信の設計第1作(1991年)で、また、その土地やそこに住む人々の歴史や伝統を活かすべく、自然素材や職人の手業を大胆に取り入れた特徴的な建築となっている。目に付くところでは、モルタルに藁を混ぜて表面に土を噴いた壁、1F部分の外壁を覆っているサワラの割り板、上諏訪産の鉄平石などで葺かれた屋根、薙鎌が刺さっている軒を貫いている柱などなど、細部も含めて、見どころが多く、とてもおもしろい。









入口の左側に受け付け(兼、事務室)があり、ここで入館料を支払い、チケットやパンフ類を受け取る。入ったところに、常設の、御頭祭の復元(近世中期、菅江真澄のスケッチに基づく)があり、鹿や猪の頭、串刺しになった兎などの供物が再現されている。壁には、解説があるが、これも和紙に墨書したようで、あまり例のないユニークな印象。奧に、小さな展示室があり、ここで所蔵の文書類を中心とした企画展「真田と諏訪 信濃の武将たち」が開催されていた。小さな展示だが、力の入った展示だった。1Fには、この他にも、ミーティングルームのような部屋もあり、割り板(藤森さんが試しにやった失敗作?)や屋根に使われた鉄平石などのサンプルが置かれていた。

うひゃ〜!

2Fは、史料を収蔵するための室とのことだが、ふだんは階段が降りていず、登ることができない。たまたまこの日はデモンストレーションに下ろしたところを見ることができた(すぐにまた上げちゃったけれど)。

敷地内には、史料館の他にも、神長守矢家祈祷殿(市指定文化財)、御頭みさく神などの史跡がある。

神長守矢家祈祷殿(市指定文化財

また、歩いてすぐのところに、高過庵(2004年)と空飛ぶ泥舟(2010年)の藤森照信建築の2作があり、外観を見ることができた。泥船は、2010年の茅野市美術館での「藤森照信展 諏訪の記憶とフジモリ建築」の際に作られ、翌3月まで野外展示されていたが、同年4月、ここに移設されたとのこと。







茶室、というよりも、バーバヤーガの小屋