彫刻放浪:田町・芝浦あたり〜恵比寿ガーデンプレイス
- 今日は、田町・芝浦あたりの野外彫刻を観て回ってから東京都写真美術館他で開催中の第11回恵比寿映像祭を観に行くつもり。まず、最寄りから東京メトロ経由で新橋に出て、山手線で田町で下車。田町駅の西口に彫刻があると聞いたので、まず西口周辺を探るが、これは見つけることができなかった。撤去? それとも、見落とし? いずれにしても、残念。もう少し探索したい気もしたが、例によって少し出遅れていたので、ここまでとして、次の目的地、芝浦アイランドに向かうことにした。
- 芝浦アイランド・グローブタワー周辺の野外彫刻 芝浦4丁目の島状の区域が再開発され、芝浦アイランドと呼ばれる地域となった。4棟の大きなタワーマンションが建っており、そのうちの一つ、A2街区のグローブタワーの周囲の遊歩道に野外彫刻があると聞き、訪ねてみることにした。グローブタワーは2007年3月の竣工だが、ネットを検索してみると、グローブタワーの周りの遊歩道への彫刻設置を目的に、2005年に「海の物語」をテーマにした「水と緑のアイランド「芝浦アイランド彫刻コンクール」」の作品募集が行われ、マケットによる1次審査、2次審査を経て、2006年4月に入賞作5作が選ばれたとのこと(主催は三井不動産。A2街区再開発の事業者のうちの一社)。5ヶ月間の制作期間を経て、2006年9月に、今回観にきた各作品が設置された。この手のマンションやオフィスビルだと、最近ではコンサルがキュレート/マネージして、作品を設置することが多いのだと思うが、こうしてコンクールを経て、設置したのはちょっとおもしろい。以下、観覧順に掲載。
朝野浩行《LA DONNA》
岩崎順一《Sea VIII》。この岩崎作品があると聞き、訪ねてみた次第。
信ヶ原良和《隙・煌々》
石嶋哲彦《SWIMMING POT》
- 埠頭公園の「南極探検記念碑」 そのまま、芝浦アイランドを抜け、潮彩橋を渡り、埠頭公園まで歩く。ここに、白瀬矗(しらせのぶ)中尉らによるわが国初の南極探検の記念碑が設置されているので、これを観覧。白瀬隊は1910年(明治43)11月、南極探検に向けて、芝浦から開南丸に乗って、出航した(南極大陸上陸は、1912年[明治45]1月)。
「南極探検記念碑」(1936)。制作は朝倉文夫。その後、ペンギン像などに破損が目立つことから、1982年に港区により補修が行われた、とのこと。
修復されたペンギン像。だいぶ傷んでいたらしい。
こちらは近くに設置されている砕氷艦・初代しらせのスクリュープロペラ(の一部)。南極探検発祥の地を記念して、海上自衛隊から貸与されたものとのこと。2009年11月設置。
黒川晃彦《リバーサイド トリオ》(1992)
- 恵比寿ガーデンプレイスの野外彫刻 田町駅からJR山手線で、恵比寿駅まで移動。お腹が空いたので、少し早いが、適当な夕食を適当に食らい、今日の最終目的地である恵比寿ガーデンプレイスまで歩く。第11回恵比寿映像祭(もう11回かよ…)が目あてだが、その前に、ガーデンプレイスのアートワーク/野外彫刻を幾つか観て回る。なお、公式サイトには、特にアートワークの紹介はないようだが、案内パンフ「恵比寿ガーデンプレイスのご案内」に作品名と設置場所を記したマップが掲載されている。
>参考:パンフNavi 恵比寿ガーデンプレイスのご案内
時計広場の、土谷武《握手する人》(1994)
サッポロビール本社前の、三澤憲司《宇宙の構成》(1994.9)
「通風筒カブト」。説明板によると、もともとはサッポロビール旧恵比寿工場の製麦棟乾燥室屋根の通風筒につけられていたものとのこと。中世ヨーロッパの騎士のカブトに似ていることから「カブト煙突」と呼ばれ、1914年(大正3)にドイツから輸入されて以来、約60年間にわたって、使用され続けた。現在は、サッポロビール本社前の池の中に設置されている。
センター広場のさわひらきのインスタレーション、《platter》(2019)。第11回恵比寿映像祭オフサイト展示の一つ。テントの中に四角と丸の2つのスクリーンがある。また、左右と中央に配されたラッパ状の筒が設置され、ここから音楽が流れる。制作チームは、コンセプト・イメージ・映像・オブジェクト制作:さわひらき、テント設計・施工:ドット・アーキテクツ、音楽制作:生駒祐子、清水恒輔(mama!milkのお二人ね)、映像・音響技術:樋口勇輝。帰り際にも立ち寄ったが、やはり日が暮れてからがお奨め。