かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

洞爺湖 彫刻放浪:洞爺湖→伊達→室蘭(1)

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  • バーゲンで入手した航空券を使って、新千歳空港を起点に、洞爺湖、伊達、室蘭と野外彫刻を探ってきた。洞爺湖は2回目で、前回は行かなかった北側の野外彫刻を観覧してきた。伊達では、懸案の本郷新制作の野外彫刻/モニュメント・銅像を観ることができた。そして、室蘭は3回目だが、今回は東室蘭輪西駅周辺の野外彫刻を探り、イタンキ浜へ行ってみた。両日とも上々の天気で、無事に観たかったものを観てくることができた。なかなか楽しい旅行だった。
  • 行きは成田空港から、春秋航空IJ831便に搭乗する。成田7:10→8:50新千歳の予定だ。春秋航空はWebチェックインがないので、空港でチェックインしなくてはならない。この春の改正で、成田に向かう始発バスが5:20発になり(成田T3到着は6:14)、以前より間がなく、少し心配だったが、バスは予定より少し早く6:10頃にT3に到着し、その足で無事にチェックインを済ませ(やはり後方席だった)、保安検査場を通過して、搭乗ゲートの175に向かう。搭乗は6:45頃から始まり、7:00過ぎに飛行機の扉が閉まった。フライトは順調で、8:30過ぎに新千歳空港に着陸し、8:40過ぎには到着ロビーに出ることができた。
  • ここで、JRに乗り換えて、洞爺湖に向かう。JRのチケットは事前に地元で購入しておいたのだが、ここで大失敗。日付を1ヶ月まちがえて、7月19日発で買っていた。なんという凡ミス笑 慌てて、みどりの窓口で、日付を変更してもらい、無事に新千歳空港9:00発の快速エアポートに乗車することができた。JR新千歳空港9:00→9:03南千歳9:11→10:31洞爺、と順調に乗り継ぐ。乗車券2630円+特急自由席券1800円=4430円。特急スーパー北斗の自由席は、無事に座ることができたが、札幌から苫小牧や室蘭に向かうビジネスマンで多少混んでいた。室蘭からはだいぶ空席ができた。洞爺駅で、道南バス洞爺湖温泉行きに乗り換え。10:45発の洞爺湖温泉行きに乗る。このバス、室蘭フェリーターミナル始発のバスだったが、数分遅れでやってきた。25分ほどで、終点の洞爺湖温泉に到着。330円。バスの待合室で、「とうや湖ぐるっと彫刻公園」などのパンフを入手。次に乗る12:40発の壮瞥経由洞爺水の駅行きのバスまで1時間ちょっと間があるので、この間を利用して、前回来たとき、見落とした安田侃制作の「ゆかりの碑」を観に行く。
  • 洞爺湖畔の安田侃 「ゆかりの碑」は、洞爺湖ビジターセンターの裏手にある金比羅火口災害遺構散策路の一角に設置してある。この散策路は、2000年の有珠山噴火の際の、泥流や降灰で大きな被害を受けた町営住宅や町営浴場(やすらぎの家)を砂防地内に災害遺構として保存し、火山災害についての学習の一助としたもの。「ゆかりの碑」の立っている場所は、1943年に開設された北海道教育保養所があったところで、1977年の有珠山噴火で全員避難、1978年の泥流の直撃を受けて、この地での再開を断念した、とのこと。1983年に関係者一同の依頼を安田侃が受け、1984年に跡地の碑「ゆかりの碑」と湖畔の碑「回生」の2基1組の作品が制作・設置された。2000年の有珠山噴火で、「ゆかりの碑」は泥流の直撃を受けたが、何の損傷も受けなかったとのこと。(以上、現地の解説板による。)

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「ゆかりの碑」(1984設置)。制作は安田侃。北海道立教員保養所ゆかりの会による。北海道立教員保養所跡地に設置。


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やすらぎの家(災害遺構)。


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桜ヶ丘団地(災害遺構)。3棟並んでいた公営住宅のうち、もっとも被害の大きかった1棟が災害遺構として保存された。山側がさすがに被害が大きい(写真2枚目)。


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散策路から洞爺湖方向を望む。湖面の向こうに、羊蹄山が見える。今回も山頂に雲がかかっていた。


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安田侃《回生》(1984)。洞爺湖町湖畔遊歩道(駅前桟橋付近)に設置。 ※02(以下、※の後の番号は、リーフレット「とうや湖ぐるっと彫刻公園」の番号)。《回生》は「とうや湖ぐるっと彫刻公園」に組み込まれている。

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安田侃《意心気》(1988)。洞爺湖湖畔遊歩道(わかさいも本舗洞爺湖本店裏)に設置。銘板に「有珠山噴火の碑」とある。1977年8月7日は、77・78年噴火の始まった日。 ※01。


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新田実 作の裸婦像(1951)。コンクリート彫刻。台座に「1951年」千秋保存願乞」花谷元功建之」とあった。ふらふら歩いていたら、洞爺湖温泉バス停の西側のセンターパークゴルフ場の一角で見つけた。もちろん「ぐるっと彫刻公園」作品ではない。

  • 洞爺湖北側の野外彫刻 洞爺湖温泉12:40発の壮瞥経由洞爺水の駅行きに乗車。洞爺湖をまるまる1周するバスはなく、南側の洞爺湖温泉と北側の洞爺水の駅を結ぶ西回り(月浦経由)と東回り(壮瞥経由)の、洞爺湖半周路線がある。ともに本数が少なく、予定を立てるのに一苦労だった。まあ、自動車で回るのがデフォで、レンタサイクルが次案といった感じなので、効率的に言ってバス利用はあまりいい案ではないかもしれない。水の駅までは月浦経由より壮瞥経由の方が、時間も多く要し、バス代も高い。バスはだいたい湖岸の道路を走るが、途中、壮瞥役場などの立ち寄る。目的地の岩屋バス停には35分ほどで到着。780円(?)。途中、仲洞爺バス停付近で、車窓より、仲洞爺キャンプ場設置の野外彫刻4基(北海道ゆかりの女性作家による具象人物像)のうち、3基をちらっと見かけた。下車した岩屋バス停から少し先に歩いたところにあるえぼし岩公園から、洞爺湖の北側に設置された「ぐるっと彫刻公園」作品を観て歩く。えぼし岩公園→洞爺湖水の郷 財田キャンプ場→財田自然観察道 水辺の森の小径→夕日が見える渚公園→洞爺芸術館→洞爺町中央公園→小公園→浮見堂公園と回る。約4時間ほど。ゆっくり歩いたこともあるが、時間が余る、ということはなかった。浮見堂公園近くの、憩の家入口バス停から17:10発の道南バス洞爺湖温泉行きに乗って、終点の洞爺湖温泉バス停まで戻ってきた。25分・550円(?)。帰りのバスでも、途中、車窓からグリーンステイ洞爺(オートキャンプ場)に設置された野外彫刻を1基見ることができた。

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えぼし岩公園」名標。もともと道立洞爺少年自然の家(ネイパル洞爺)があったところで、ネイパル洞爺が2014年に廃止になった後、公園となったようだ。38の加治晋《春遊台》(1996)はもともとネイパル洞爺前に設置されていたが、建物の解体に合わせ(?)、現在の洞爺湖芸術館前に移設されたらしい。


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えぼし岩公園近くからの洞爺湖の眺め


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小田襄《風景の王国》(1992設置) ※33


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えぼし岩を遠望。なんでも登山道があって、岩のすぐ近くまで行くことができるそうだ。行ってみたい…


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えぼし岩公園から次の彫刻設置場所までけっこう距離がある。地図で計ったら、4km弱あった。ときどき湖畔に出て、湖の写真を撮る。


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道はしばらく湖沿いを走った後、少し湖を離れ、たんぼの中を抜けていく。壮瞥川を渡ったところで、湖方向に道を曲がり、財田キャンプ場へ向かう。

  • 財田キャンプ場

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廣瀬光《STONE BOY-KAZE(TOYA)》(1994設置)※34 検索:広瀬光


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キャンプ場の湖畔の道、財田自然観察道 水辺の森の小径を歩き、次の目的地の、夕日が見える渚公園に向かう。気持ちのいい道だった。

  • 夕日が見える渚公園

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湯村光《起源−湖上に向かって》(1995設置)※35


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澄川喜一《月》(1995設置)※36


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眞板雅文《湖景夢想》(1996設置)※37 夕日が見える渚公園と洞爺湖芸術館の中間地点の道路沿いに設置されている大型の野外彫刻/インスタレーション


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  • 洞爺湖芸術館 砂澤ビッキの作品と洞爺村国際彫刻ビエンナーレ受賞作を中心に、並河万里撮影の洞爺湖の写真や日本の近現代文学の初版本・限定本のコレクションなどを展示している。洞爺村国際彫刻ビエンナーレは、1989年に始まった「とうや湖ぐるっと彫刻公園」事業とは別に、洞爺村が2年ごとに開催した「手のひらの宇宙」をテーマとした小型彫刻の国際公募展。1993年に第1回が行われてから、2007年に休止されるまで、8回のビエンナーレが開催された(ちなみに、洞爺村は2006年3月27日に虻田町と合併し、洞爺湖町となった)。2Fの展示室の窓の外に広がる洞爺湖の景色も含め、小さいながらもなかなか見応えのある美術館だった。

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芸術館まえの、「老三樹」。セン(推定樹齢200年)、サクラ(同600年。ただし、1978年に枯死・倒木)、クワ(同1300年)が1株から生育しているように見えることから「老三樹」と名付けられたとのこと。


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加治晋《春遊台》(1996)※38 以前はえぼし岩公園に設置されていたようだ。

  • 洞爺町中央公園〜洞爺町小公園

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折原久左ェ門《波遊》(1993設置)※39


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洞爺町中央公園のベンチ


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朝倉響子《Summer》(1992設置)※40


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山本正道《風の音'92》(1992)※41


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板東優《I was(過去)・・・I will(未来)・・・》(1990設置)※42


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  • 浮見堂公園

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空充秋《夢洞爺》(1993設置)※43 浮見堂へ向かうゲートになっている。


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浮見堂


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國松明日香《輪舞》(1989設置)※44


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掛井五郎《胞》(1991設置)※45


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永野光一《星との交感》(1992設置)※46


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田中薫《1.1.√2 12の八角台形》(1993設置)※47


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白鳥がいた。


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渡辺行夫《風待ち》(1991設置)※48


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憩の家入り口・バス停


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  • これで、とうや湖ぐるっと彫刻公園の野外彫刻58基のうち、50基を観た。残りは東側の壮瞥公園の1基(28)、仲洞爺キャンプ場にある4基の具象人物像(29〜32)と、西側のグリーンステイ洞爺湖(オートキャンプ場)の2基(50、51)、加えて、西側の高台、レークヒルファーム前の速水史朗作品(49)である。次回を期したい、のだが、あるか次回?

28鈴木吾郎《風とあそぶ》(1993)※壮瞥公園
29熊谷紀子《春〜風光る》(1993) ※仲洞爺キャンプ場
30神田比呂子《夏〜渚へ》(1993)※仲洞爺キャンプ場
31秋山知子《秋〜終日》(1993)※仲洞爺キャンプ場
32小野寺紀子《冬〜星降る夜に》(1993)※仲洞爺キャンプ場
49速水史朗《みちしるべ〜洞爺の人》(1996)※レークヒルファーム前
50石川浩《色なき風》(1996)※グリーンステイ洞爺湖
51阿部典英《オヨメサントコミチヘ》(1993)※グリーンステイ洞爺湖

  • 伊達まで 洞爺湖温泉バス停で、17:45発の道南バス壮瞥経由・室蘭フェリーターミナル行きのバスに乗車。600円。壮瞥町役場までは、昼に乗ったバスと同じルート。壮瞥町役場から下校する高校生が少し乗ってきて、かしましくなった。40分ほどで、伊達駅前に到着。少し歩いて、セイコマで飲み物などを買ってから、今日宿泊のホテルにチェックイン。
  • 今回宿泊したのは、ビジネスホテルキャッスル。バス、トイレが共同で、1泊2食付きで5400円だった。設備は一通り揃っていたが、部屋に芳香剤のにおいが立ちこめていたのが、ちょっとしんどい。Wi-Fiもなかなかネットに入れず、結局、夜中になってからようよう入ることができた。食事は家庭料理だったが、これは意外においしく、はなまる! 全体的に、価格からすると、なかなかよろしかったかと。泊まり客は仕事関係の人が中心でとても静かだった(夜中に廊下で騒いでいたバカップルがいたのだが…叱られていたようだった笑)。目の前にセイコマがあったのもプラス。疲れたので、チェックインして、すぐに風呂入って、メシ食って、寝たのであった。


つづく