かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 堺市博物館『南蛮美術』他

堺市博物館は,JR百舌鳥駅から歩いて5分ほど.仁徳天皇陵の南側,大仙公園の中にあります.今回は企画展『南蛮美術』が目当てにやってきたのですが,通常の観覧料の200円で,企画展・常設展示ともに観覧することができました.
常設展示は,さすが仁徳天皇陵をはじめとする巨大古墳の本場,ということで,古墳時代を中心とした考古学系統の展示(「古墳・仁徳天皇陵)と,中世後期の自由都市,堺をクローズアップした展示(自由都市堺」)をメインに,堺の産業・文化などを概観するものとなっていました.
それから,常設展示の中では,大正・昭和初に活躍した鳥瞰図作者吉田初三郎による堺市鳥瞰図』が気になりました.というのも,つい先日見た日本三景展』で同じ吉田初三郎による宮島,天橋立,松島の鳥瞰図を見ていたからです.詳しくはまた後日として,この吉田初三郎という鳥瞰図作者については個人的に今後注目していきたいと思っています.※帰宅後,ちょっとググってみますと,いろいろと参考になるサイトや文献が多数見つかりました.また,堺市博物館には吉田初三郎の資料が多く収蔵されていて,また,1999年には特別展も行ったそうです.
展示場は周遊式になっていて,常設展示に続く,空間が企画展『南蛮美術』にあてられていました.主に堺市博物館所蔵(寄託?も含む)による南蛮美術の作品,おもに絵画と工芸(南蛮漆器)ですが,が展示してありました.展示品のうち,絵画についてリスト・アップしておきます.

  1. 作者不詳《洋風女性図》 1面
  2. 作者不詳《南蛮屏風》 6曲1双 
  3. 作者不詳《南蛮屏風》 6曲1隻(もと1双の左隻) [個人蔵]
  4. 作者不詳《世界図屏風》 4曲1隻 [個人蔵]
  5. 作者不詳《住吉祭礼図屏風》 6曲1隻 ※1双のうち,堺図(右隻)のみ展示.
  6. 作者不詳《野外遊楽図屏風》 6曲1隻 [個人蔵]

1は,初期洋風画で洋装の女性の立ち姿を描いたものです.今回の企画展のちらし表にも使われていて,もと仙台藩に伝来したものだそうです.2の南蛮屏風は,第1類(左隻=南蛮船と荷揚げ,右隻=カピタン・モールの行列と南蛮寺)に分類されるもので,左隻に描かれる南蛮船がやはりおもしろい.この南蛮船も側面に突き出た小部屋があって,ここで南蛮人が肘枕で寝転がってリラックスしているんですね.他の南蛮屏風でも見たことがあるのですが,これが不思議で,いつか正体!?を明らかにしたいと思っています.常設展示中に南蛮船の復元模型の展示もあったのですが,資料が少なく,細部などは想像に頼っているようですが,さすがに復元模型にはこの不思議な部屋はありませんでした.4は江戸時代初期のもので,4曲屏風の中央に世界地図が貼ってある,というものでした.地図に描かれる「大明国」の北側の国境が万里の長城の絵で区切られているのがおもしろかったです.6は,タイトル通り,紅葉の季節の野外遊楽を描いたもの.どういうわけか南蛮人たちの一行も描かれていて,これがユニークでした.
展示は,この他,スポット展示『半井氏と幻の寺大通寺』など.