かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

 西福寺・寺宝特別公開

池田から大阪市内に戻る途中,服部で下車して,小曽根の西福寺に立ち寄る.年に1回,11/3に特別に公開される寺宝の若冲画を拝見するのが目的.西福寺へは昨年に続いて2回目.服部からは徒歩で15分ほどの道のり.初めてだとちょっとわかりづらいところだが,昨年の記憶が残っていて,迷うこともなく無事到着.途中のファミマで無印良品のボールペンを購入する.これは昨日紛失してしまったため.
本堂にあがり,受付で記帳し,パンフレットと記念のメダルをいただく.ご本尊にご挨拶の後,早速,若冲画を拝見する.

  • 《仙人掌群鶏図襖》 全6面・紙本金地着色・寛政2年(1790)
  • 《蓮池図》 全6幅の4幅・紙本墨画・寛政2年(1790)
  • 《山水図》 1幅・紙本墨画・寛政2年(1790)
  • 《野晒図》 香川景樹賛 1幅・紙本墨画・寛政6年(1794)

※この他に,1927年(昭和2)の恩賜京都博物館「斗米庵若冲画選」展時の《仙人掌群鶏図襖》《蓮池図》の修理の経緯を書いた箱書きあり.

いちばんの見どころは《仙人掌群鶏図襖》で,確かに何度見てもおもしろい.3面ずつそれぞれ三角形の構図に収まった鶏の家族図は,《動植綵絵》の鶏たちとは異なり,ほほえましさも感じられる.だが,この絵をおもしろくしているのは,なんと言っても不思議な仙人掌の姿形だ.左右の端から次々と「気」を吐きつつ押し広がってくる仙人掌のフラット感はなんとも不思議この上ない.
今回,この《仙人掌》にも増して,目が離せなかったのが,《蓮池図》だ.これはもと《仙人掌》の裏面に描かれたもので,現在は6幅の掛幅に改められている.展示はこのうちの4幅.この絵に描かれている蓮は,大方が枯れて,腐り,無惨に衰えきっている.この光景を見て,天明の大火直後の京の町の姿ではないか,あるいは一種の九相図ではないか,などとさまざまなことを連想する.
京都で開催中のプライス・コレクション展もあってか,昨年よりも拝観に訪れる人が多かった気がする.実際,幾組か,プライス展と西福寺をはしごしている人もいたようだ.
1時間ほど,若冲の絵を愉しみ,本堂を後にした.
【メモ】西福寺・寺宝特別公開 毎年11/3 10:00〜17:00 雨天中止 〒561-0813 大阪府豊中市小曽根1丁目6-38 ※阪急宝塚線服部駅より徒歩約15分.
2005.11/3の記事→ここ