かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

竹原、大久野島



  • LCCの(超)格安航空券が手に入ったので、竹原と福山に行ってきた。今回の一番の目的は、福山市沼隈にある神勝寺を訪ねることだ。神勝寺には、白隠のコレクション、藤森照信の建築《松堂》、そして、名和晃平+SANDWICHによるアートパヴィリオン《洸庭》がある。併せて、竹原と大久野島に立ち寄るスケジュールをたてた。竹原は、頼春水(山陽の父親)の出身地で、古い町並みが保存されている。また、大久野島は毒ガス製造の戦争遺跡があり、今はうさぎの島として、観光客を集めている。
  • 最寄り4:15発の始発バスで、成田空港T3まで。定時の5:10着。春秋航空のチェックインが5:30からなので、まずターミナル内のロで、コーヒーと昼食用のおにぎりを買い、チェックインの列に並ぶ。チェックイン後、保安検査場を通過して、171ゲートに移動。まだ早いので、ベンチで一眠り。
  • 7:00過ぎにバス移動が始まる。ターミナルからわりと遠い駐機場。7:34に成田空港を離陸、8:45に広島空港に着陸。8:50過ぎに出発ロビーに出たが、当然8:45発の竹原行きの乗り合いタクシーには乗れない。


前回の広島行きは、乗客が全員さっと搭乗して、予定より早く離陸したが、今回は何人か乗客を待っていたようだ。出発が少し遅れた。

  • 次便は10:05なので、ファミマで、この日2杯目のコを買い、一休み。時間を潰すために、三景園の入口あたりまで探索。やっと場所がわかった。ぜひ次回!


  • さて、竹原行きの乗り合いタクシーは、9人乗りのジャンボタクシーでの運行で、竹原までは25分、料金は1000円。今回は特に予約をしなかったが、定員が少ないので、前もって予約を入れておいた方が無難かもしれない。オレの乗った便も、ほぼ満員だった。10:30頃、JR竹原駅前に到着。


  • 駅前の観光案内所で地図の類を手に入れて、「竹原市重要伝統的建造物群保存地区」(町並み保存地区)に向かう。2時間ほど歩いてまわる。江戸時代前期から昭和に至る建物が混在しているようで、いくつかの旧邸が公開されている(一部有料)。


駅前の観光案内所。かぐや姫とアニメ「たまゆら」をフィーチャー。



JR竹原駅から徒歩15分ほど。町並み保存地区の入口近く、道路を挟んで小さな広場に、頼山陽銅像と詩碑があった。



町並みはこんな感じ。



竹原市歴史民俗資料館。江戸時代の「竹原書院」跡に建てられた洋館で、図書館を経て、現在は歴史民俗資料館として、塩田などの資料が展示されている。竹原は江戸初期に竹原湾の干拓によって塩田が造られ、その財をもとに廻漕や酒造などの産業が興ったとのこと。学問や詩文を重んずる気風もこれをもとにしている。


頼惟清(らいこれすが)旧宅。頼惟清(宝永4年[1707]〜天明3年[1783])は頼山陽の祖父にあたる。惟清には、春水(山陽の父)、春風、杏坪の3人の子どもがおり、それぞれ文才に秀でた儒者として名を残した。現在は県史跡に指定され、内部が無料公開されている。

各室に立花が飾られていた。

裏庭には頼山陽の詩碑が建つ。


大小路の町並み。左側は、頼春風の旧居、春風館・復古館。内部は非公開。


胡堂。


町並み保存地区の裏手の山の上に、西方寺がある。これは山門に至る階段。

西方寺の観音堂、普明閣。京都の清水寺を模した建物で、市重要文化財に指定。


普明閣からの眺め。

  • ところで、竹原って、大林宣彦監督作品「時をかける少女」(1983)のロケ地だったのね。この映画、はるか昔に観たことがあるんだけど、ロケ地までは知らなかった。帰宅して、予告編を見たところ、今回の旅行で回った場所が随所に出てきていた。ちなみに、最近は、アニメ「たまゆら」の聖地として知られていたらしい。このアニメは全く知らない。これも帰宅後、あ〜、日の丸写真館って、そうだったのか...と後に気づくなど。他にも、NHKの朝ドラ「マッサン」のモデルとなったニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝の生家の竹鶴酒造もこの町並みの中にあり、ロケで使われた模様。
  • 12:30過ぎにJR竹原駅まで戻る。竹原13:07発の各駅停車に乗り、忠海(ただのうみ)には13:19に到着。ここから、大久野島までのフェリーが出る忠海港まで移動。歩いて5分ほど。途中に、アヲハタの本社がある。忠海アヲハタの創業地だそうだ。フェリーは14:05発。大久野島までは往復620円(片道310円、往復券を買っても、割引きがあるわけではない)。カップルと若者のグループ、家族連ればかりで、けっこう乗客が多い。風が冷たく、待ち疲れるなど。さっと乗船して、さっと出発。大久野島(2番桟橋)までは15分弱。ここで乗客を降ろし、フェリーは大三島の盛港へ向かっていった。


忠海港の常夜灯。「アヲハタ」もある。

  • さて、フェリーを下りると、早速、わらわらとうさぎが寄ってくる。そう、人が歩いてくるのを見かけるとうさぎの方からぴょんぴょんとこちらへ飛んでくるのだ。これでは、小動物好きはめろめろになる。多くの乗客が餌やりなどで盛り上がるのを尻目に、島内を一周するべく、出発する。島内の観光マップの類が特に配布されていなかったので、事前に準備にDLしておいたpdfを便りに歩く。まあ、ところどころに行き先案内が出ているので、迷うことはない。


めろめろです。餌を準備してくればよかった笑

  • 発電所跡→火薬庫跡→北部砲台跡→中部砲台跡→展望台→毒ガス貯蔵庫跡→研究所跡→毒ガス資料館(ただし、16:00までなので、見学できず)を回り、再び、2番桟橋に戻る。
  • 島内に残る旧軍事施設跡は、大きく2種に大別できる。一つは日清戦争後、瀬戸内海への敵艦船の侵入阻止のために築かれた芸予要塞(1897年[明治30]着工、1924年[大正13]廃止)の砲台跡など。もう一つは、大日本帝国陸軍による毒ガス製造のための秘密施設(1929年[昭和4]〜1945年[昭和20])。
  • うさぎは、島の小学校で飼われたものが、野生化して、繁殖したものとのこと。うさぎの島としてブームになったのは、2011年以降とわりと最近のことのようだ。
  • 大久野島では、旧軍事施設跡やうさぎもさることながら、展望台近くに建てられた大鉄塔が強く印象に残った。この鉄塔は、本州と大三島を結ぶ送電線(大三島支線)で、高さ226m、日本一高い送電鉄塔とのこと。1962年(昭和37)竣工。


発電所跡。1929年〜1945年、毒ガスを製造する際に必要な電力を供給した。



  • 2時間弱ほど島内を歩き回った。多少見残したところもあるが、2番桟橋に戻り、16:06発のフェリーにぎりぎりで乗船することができた。16:20に忠海港に到着。ダッシュすれば16:23発の三原行きに乗れないこともなかったが、これには乗らずに、1本後の17:16発に乗ることにし、小一時間、駅の待合室で過ごす。ちょうど近くの高校生の下校時間にあたり、なかなかかしましい。
  • 17:16発三原行き各停に乗車。17:40に三原着。ここで、17:59発の岡山行きに乗り換えて、福山に向かうつもりだったが、西条駅で事故があり、広島方面から来るこの列車は運休?になり、折り返しの18:24発の岡山行きに乗車。福山には19:02頃、到着。駅前で食料などを買いだし、ホテルにチェックインする。
  • ホテルエリアワン福山 小さめのビジネスホテル。1Fの格安セール!?部屋に宿泊(1Fの客室はこの1室のみ)。格安とはいえ、部屋は十分に広いし、アニメティなども揃っており、快適に過ごすことができた(といっても、風呂入って、寝るだけだが)。このフロアの客室がこの1室のみなので、とても静かだったのもよかった。Wi-Fiは2Fの拾うためか、少し電波が弱かったが、特に難はなかった。