かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

二宮→平塚→辻堂→横浜→八王子→三鷹→吉祥寺

  • 今回は、休日おでかけパス2670円を使って、湘南方面に彫刻放浪である。本当は明日の日曜日に行く予定であったが、今晩吉祥寺のキチムでテニスコーツ立花泰彦のライブを観ることになったので、無理矢理合体させて、交通費を浮かせることにした。体調がいまいちだったが、なんとか予定をこなした上、予定外の八王子・三鷹でも少しだけ彫刻を探り、さらに、吉祥寺で時間を潰すために立ち寄ったウニオンで、レコードをたくさん引き当ててしまい、4枚も買ってしまう(4枚の3倍ぐらい引き当てたが、厳選したのである苦笑)、というおまけもついて、まあまあ充実した一日を過ごすことができた。
  • 最寄り駅から東京駅に出て、ここで東海道線に乗り換え、西に向かう。土曜日の朝早くなので、いまのところ、それほど混んではいない。最初の目的地は二宮。8:00過ぎに到着。二宮でのお目当ては、二宮町役場の入口付近にあるという本郷新の母子像のレリーフ。町役場は、駅の北口から数分のところにあった。土曜日でも観られるか、どうか、分からなかったが、無事にお目当てを発見、観ることができた。町役場入口のすぐ横というロケーションを考えると、役場が休みの土曜日に行って正解だったかもしれない。入口付近には、この他にも、裸婦像やライオン像などがあった。駅まで戻り、今度は南口に行ってみる。高木敏子ガラスのうさぎ』にちなむ《ガラスのうさぎ》像があり、これも観覧。






二宮町役場入口の、本郷新《母子像(レリーフ)》(1978/1978設置)。中央に母子像(子どもが二人だが、太陽の母子像に似ている)、右に町の木のツバキ、左に町の花のカンナが配されている。現在の町役場は1978年に竣工し、利用が始まった。この入口近くに設置されたレリーフも、建築時に、地元の企業から寄贈・設置されたもののようだ。ところで、二宮町では、役場の移転・立て替えを近々行うようで、これらの作品が今後どうなるか、気になるところだ。




二宮駅南口の、《ガラスのうさぎ》(1981/1981設置)。「ガラスのうさぎ」像を二宮駅に建てる会の依頼により、圓鍔勝三が制作(台座や像のサインには「圓鍔作」とのみあるが、圓鍔勝三作でいいようだ)。《ガラスのうさぎ》像は他に呉市立中央図書館前にもあるとのこと。

これは、傍らに設置された説明板。

  • 二宮から東海道線で平塚まで戻る。次の目的地は平塚市美術館で、現在開催中の展示と野外彫刻を観るつもり。駅前に「平塚七夕まつり40周年記念」の野外彫刻、《星たちの明日》(1990)があった。制作は峯田義郎。美術館は9:30からなので、まだ時間に余裕がある。のんびり歩いて行くことにする。前回来た時は工事中だった市役所の新庁舎も完成していた。庁舎前を通り、文化公園を抜けて、美術館へ。博物館や図書館などがある文化公園内には、いくつか野外彫刻があった。1993年に「湘南ひらつか野外彫刻展」という展覧会が、平塚市総合公園で開かれ、この展覧会に出展された彫刻20点が、現在も平塚市内各所に設置されている。その内のいくつかを、文化公園で観ることができた。当時、神奈川県は県内の市町村とともに、彫刻のあるまちづくりや地域活性化を目的に、3年ごとに野外彫刻展を開催していたとのことで、「湘南ひらつか野外彫刻展」は、「丹沢野外彫刻展」(1987開催・秦野市)、「小田原城野外彫刻展」(1890開催・小田原市)に続く、3回目の開催。平塚市同様、秦野市小田原市でも、この展覧会に出品された作品が残り、いろいろと活用されているようだ。


平塚市文化公園の、三梨伸《森の住人》(1993)。湘南ひらつか野外彫刻展(1993)の優秀賞受賞作。

平塚市文化公園の、菅沼五郎《夢の女》(1982)。こちらは、野外彫刻展関連ではない作品だが、白セメントの彫刻が珍しくて掲載。制作されてから40年近く経ち、だいぶ風化が進んでいる。それにしてもパブリックアートとして、夢の女が立っちゃうのか、といささか感慨あり。

  • 平塚市美術館 まだ開館まで間があったので、屋外に設置してある彫刻を観て回る。この美術館は、これまでに数回訪ねているが、野外彫刻をちゃんと観て回るのはこれが初めて。前庭の芝地と、階段を上がった2Fのテラスなどに彫刻が設置されている。具象と抽象が半々といった感じで設置されている。具象は、佐藤忠良舟越保武、柳原義達のビッグ3に、淀井敏夫が1点。抽象は、ホセ・デ・リベラの大型作品に、湯原和夫、保田春彦らの作品。この他、館内にも、受付付近の三沢厚彦の大きなユニコーン像、2点をはじめ、佐藤忠良舟越保武、淀井敏夫の小品が展示してあった。


佐藤忠良《緑》(1989)

ホセ・デ・リベラ《コンストラクション #115》(1969)。ゆっくりと回転する動く彫刻。

銘板を見つけられなかった作品? 追記(2018.6.17):樋口健彦《大黒玉 DAIKOKU-DAMA》(2008/セラミック、墨)。作品前に銘板あったのだが…

湯原和夫《意味の自由区 No.4-88》(1988)

保田春彦《赤錆の幕舎》(1991)




淀井敏夫《海》(1989)





舟越保武《海の顕彰碑・・・渚》(1986)


柳原義達《座る女》(1958)。宇部で出会った作品に、平塚で再会。

  • 展覧会は、特集展「所蔵品による"なんだろう"展+新収蔵品展」を観覧。200円(HP割があるのを見逃した)。また、ロビーを会場に「長谷川さちの彫刻 レイライン」が開催中だった。若手作家による石の彫刻作品展。 


  • 再び駅まで歩き、平塚から辻堂まで移動。辻堂で電車を降りるのは初めてか。北口方面へ。駅前は再開発が終わり、大型の商業施設や芝地公園などがあった。
  • ココテラス湘南というビルの6Fにある藤沢市アートスペース(辻堂は藤沢市なのね)へ。藤沢市アートスペースは、2016年7月開館の藤沢市による美術振興施設。若手・中堅アーティストの展覧会や藤沢市のコレクションによる展覧会などを開催するとともに、さまざまなワークショップを行っているようだ。今回は、ここで、毛利悠子の個展「グレイ スカイズ」を観覧。無料。
  • 毛利悠子「グレイ スカイズ」は、5つの作品を展示。展示室は2室あり、1室はカーテンで仕切られ、映像インスタレーションの《Everythings Flows》シリーズ3点と、機関を使った音響インスタレーション《パレード》を展示。《Everythings Flows》は、何かものが風に吹かれるさまの映像を、ビールジョッキ、楕円形の大小2つのスクリーンにそれぞれ映した作品。配布の作品リストには、キーワードとして、古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスの「万物は流転する」が挙げられている。《パレード》は、お得意の機関を使ったインスタレーション。2室のは、《モレモレ:ヴァリエーションズ》は、例の「モレモレ東京」を、反転、作品化したもので、展示に先立って行われたワークショップを元に制作されたもの。


《モレモレ:ヴァリエーションズ》(2017)展示の様子

  • アートスペース藤沢の上の階の7Fに藤沢市藤澤浮世絵館という小美術館があるのを知り、ここも併せて訪ねる。1980年、市制40周年を記念し、呉文炳氏より寄贈を受けた江ノ島浮世絵などを中心に、以来、郷土資料の一貫として収集を続けてきた浮世絵や関連資料を展示する施設で、2016年7月に開館。館内には、東海道五十三次コーナー、藤沢宿コーナー、江の島コーナーのコレクション展示の他、企画展示室がある。企画展示室では、「北斎北斎派の江の島」展が開催中だった。この他、資料閲覧コーナーや浮世絵を紹介するパネル展示、交流コーナーなどがあった。観覧は無料。
  • 天気も上々、昼を過ぎたあたりで、人出もだいぶ多くなってきた。再び東海道線で平塚から横浜を経由して桜木町まで移動。電車も混んでいて、座れない。桜木町から歩き、横浜美術館へ。途中、コーヒー休憩を挟む。


峯田敏郎《鳥達の風》(1986)。「みなとみらい21彫刻展 ヨコハマ・ビエンナーレ'86」で、協賛賞と市民賞を受賞。平塚駅前の峯田作品の写真が真っ黒にしか撮れていなかったので、かわりに日本丸近くに設置されているこれを掲載。

  • 時間に余裕もあったので、桜木町から東京駅まで各停で行って、そこから始発の中央線で吉祥寺に向かうことにした。いささか疲れたので、座ってのんびり行こうというつもり。桜木町駅のホームに上がると、始発の八王子行き横浜線快速がいたので、東京回りではなく、八王子回りで、吉祥寺の向かうことにし、これに乗ることにした。桜木町15:21→16:14八王子。電車の中で少し寝入り、これで体調がだいぶ戻った。八王子駅で下車し、駅の近くにある北村西望の野外彫刻2点を探る。八王子には野外彫刻がいろいろと設置されているようだが、今日は時間もないので、かねてより知っていた西望の2作を確かめるのみ。



八王子駅入口交差点・南西の、北村西望《若き日の母》(1925/1989.3設置)。


同・南東の北村西望《将軍の孫》(1918/1989.3設置)。

>八王子市/彫刻のまちづくり>八王子駅北口エリア

  • 八王子から特快で三鷹に向かう。続いて、三鷹駅北口の《世界連邦平和像》を見に行く。もう16:30を過ぎ、だいぶ暗くなってきたので、見に行くというか、ちゃんとあるかどうか、確認しに行くという感じ。よく見えないかなと思ったら、駅前ロータリーには、イルミネーションが設置され、その点灯で、見えることは見えた笑 が、近づくことができず、この像については、宿題ということにした。駅前で適当な夕食を適当に食らい、総武線で吉祥寺へ向かう。一駅だけだけど、総武線は始発で空いている。さて、吉祥寺。たいそうな人である。まだ、キチムのオープンの時間まで間があるので、ウニオンに立ち寄ったのが、運の尽き。何も買うまいと、節約を誓った身ではあるが、結局、散財へ。第1室のレコード関連を4枚ほど。先にも書いたが、10数枚抜いたところから、4枚に減らした。どうです、えらいでしょう笑


三鷹駅北口ロータリーの、北村西望《世界連邦平和像》(1969)。暮色に染まり、よく見えない。周囲にイルミネーションが飾られ、これまた、近づけない。なので、機会を作って、再訪します。

  • 終演後、JRで、吉祥寺→東京→最寄り、というルートで帰宅。