かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

広島空港→新倉敷・玉島→西阿知→倉敷  [倉敷市・第1日]く

  • 春秋航空の成田・広島の往復の航空券をバーゲンで買った。それを利用して、久しぶりに倉敷に行くことにした。昨年11月に広島空港から福山経由で笠岡や井原に行ったときに、倉敷ももうすぐそこということに気づき、今回、広島空港・福山経由で出かけてみることにした次第。最初は、岡山と倉敷に1日ずつ費やす予定だったが、倉敷市内に野外彫刻が多くあることを知り、2日間とも倉敷市内を回ることにした。そう、今回も飽きもせず、彫刻放浪の旅である。
  • 倉敷市内の公共空間に設置されている野外彫刻は、設置経緯から、①倉敷まちかどの彫刻展で設置された野外彫刻、②くらしき緑と水のアート回遊で設置された野外彫刻、③その他、に分類できる。①は、倉敷市が新市発足20周年記念事業の一環として、1987年(1967年に旧倉敷市と玉島市、児島市が合併し、現在の倉敷市が発足した)に始まった野外彫刻の公募展で、1987年の第1回から2003年の第6回まで開催され、各回の入賞作品47点が倉敷市内の公共スペースに設置されている。市域各所に散在するので、すべて回るのは難しいが比較的固まって設置されている新倉敷・玉島や倉敷で、これらを観て回ろうと思う。②は、1992年9月に水島臨海鉄道連続交差事業完成(高架化ね)を記念し、水島臨海鉄道弥生駅から水島駅までの周辺に、8人の彫刻家に制作を依頼し、作品を設置したもの(1993〜94年に制作・設置)。これらは全作観て回るつもり。最後の③の、その他は単発で行政などが設置した彫刻で、顕彰系肖像彫刻や〜クラブなどの記念事業として寄贈・設置されたモニュメントや野外彫刻を含む。今回の旅行では、倉敷市役所の佐藤忠良作品以外は、行きあたりばったりで出会ったものがだいたいそれにあたる。以上に加えて、大原美術館の野外彫刻を併せて観てくることにした(もちろん、大原美術館の館内の展示もね)。

倉敷まちかどの彫刻展・開催年
第1回(1987)
第2回(1990)
第3回(1994)
第4回(1997)
第5回(2000)
第6回(2003)

>参考:倉敷市まちかどの彫刻展(企画・運営:アルスくらしき) >参考:倉敷市(玉島支所) まちかどの彫刻展(玉島) >参考:倉敷市(水島支所) くらしき 緑と水のアート回遊  >参考:クラシキ文華 特集Vol.6 クラシキ街角アート図鑑

  • では、出発!最寄り7:00発のリムジンバスで成田空港に向かう。T3には8:05頃、到着。今日、乗るのは春秋航空IJ621便、成田9:30→11:10広島の予定。春秋航空のカウンターで、チェックインを済ませ、保安検査場を通過して(少し混んでいた)、出発ゲートの150C付近で搭乗まで一寝入り。バス移動なので、少し早めに搭乗が始まり、窓際席だったので、最初のバスに乗った。駐機場が遠く、移動にけっこう時間がかかる(トンネル手前だったので、いちばん遠い駐機場ではなかったが)。それでも9:30には全員が搭乗し、9:35頃には飛行機が動き出した。前回の広島行きに比べると、優秀だ。特に待たされることもなく、離陸し、順調なフライト(後席のがさがさには辟易したが)の後、11:00過ぎに広島空港に無事着陸。11:10頃には到着ロビーに出た。福山行きのバスが11:40発なので、この間を利用して、広島空港の岡本敦生による開港記念モニュメントを観覧する。
  • 広島空港の岡本敦生作品

f:id:pigmonm:20190124235940j:plain:w240f:id:pigmonm:20190124235932j:plain:w240f:id:pigmonm:20190124235922j:plain:w360f:id:pigmonm:20190124235914j:plain:w360
岡本敦生《地球・一個の球体のために》(1993)。32本の円柱が地面に突き刺さっている。それぞれ北極・南極、あるいは、各国の国際空港の方向を向いている。国際空港以外にも、モスクワの赤の広場やパリのルーブル美術館なども含まれている。円柱はそれぞれ御影石、大理石、コールテン鋼、真鍮、ステンレス鋼でできており、向かっている地点とその地点までの距離が彫られている。

  • 広島空港発11:40発の福山行きリムジンバスに乗車。往復2400円。1時間強で、福山駅に到着した。途中、広尾バス停で降りて、近くの蔵王公園の圓鍔勝三作品を観て、東福山駅まで歩けばよかったと思いついたのは、広尾バス停を過ぎてからといういつものパターン。まあ、次回を期して、メモしておく。福山駅で12:49発の列車に間に合った。13:21、新倉敷駅に到着。580円SUICA。早速、新倉敷駅前から、野外彫刻/モニュメントなどを観て回る。駅前通りを南下し、高田吉朗作品を観てから、川沿いの緑道を歩く。途中、新倉敷駅南公園にモニュメントが1基立っていたのを見つけた。さらに川沿いを歩き、ジョイフル玉島店の道をはさんで反対の小緑地に設置されている大隅秀雄作品を見つけ、これを観る。

f:id:pigmonm:20190125000222j:plain:w240f:id:pigmonm:20190125000213j:plain:w240
JR新倉敷駅南口の、斉藤均《It blows - 風が吹いてきたよ》※第5回倉敷まちかどの彫刻展・大賞(以下、倉敷まちかどの彫刻展は、第○回展と略す)。 観る角度で、形態が異なって見える。


f:id:pigmonm:20190125000205j:plain:w360
《It blows》の近くに設置されているストーンアートは濱坂渉《高瀬舟と高瀬通し/風土の記憶》。


f:id:pigmonm:20190125000156j:plain:w240
JR新倉敷駅南口の、水島港開港50周年モニュメント《錨と灯台》(2013)。


f:id:pigmonm:20190125000456j:plain:w360f:id:pigmonm:20190125000448j:plain:w360
JR新倉敷駅前通り・西側歩道(新倉敷駅前4-7)の、高田吉朗《大地の記憶》※第5回展


f:id:pigmonm:20190125000441j:plain:w240
新倉敷駅南公園の、モニュメント「歴史と文化と自然の溢れる街 玉島」(2004.4設置)。デザインは藤原啓一(倉敷芸術科学大学・大学院生[当時])による。倉敷西ライオンズクラブ結成25周年記念。

f:id:pigmonm:20190125000433j:plain:w240f:id:pigmonm:20190125000425j:plain:w360
新川緑地(新倉敷駅前4丁目・ジョイフル玉島店の道を挟んで対面)の、大隅秀雄《UTATANE(うたたね)》※第6回展・優秀賞 風で動く彫刻。見て分かるように、幾何学的、対称的な配置でなこともあり、風でゆったりと変化する像容がユニークでおもしろい。

  • 玉島 国道2号線を渡り、玉島地区に入る。溜川沿いの道を歩き、しばらくすると、倉敷市玉島市民交流センターが見えてきた。ここでトイレを借りる。また、1Fに、池田遙邨・坂田一男顕彰記念室と玉島歴史民俗海洋資料室があったので、ざっとであるが、これを観覧した(無料)。前者では、玉島にゆかりのある二人の画家の業績を、解説パネル(映像展示含む)や資料・ゆかりの品々で紹介している。後者では、玉島地区の歴史を、主に海との関わり、港湾都市としての観点から時代ごとに解説パネルで概説、民俗については、玉島に伝わる乙島祭りを紹介する展示を観ることができた。市民交流センターに隣接する倉敷市玉島文化センターの前に、三木俊治作品があった。さらに、南方向に歩き、玉島支所、玉島図書館で、それぞれ作品を観覧し、羽黒神社の横を抜け、清心町商店街(アーケード街。ほとんどシャッターが降りていた)の入口近くで、峯田敏郎作品を観覧。さすがに歩き疲れ、近くのリョウビプラッツ玉島店というスーパーのイートインで休憩する。休憩していると、下校途中の高校生がぞくぞくやってきて、夢中でおしゃべりをしている。このあたりの高校生のたまり場になっているようだ。ブラッツ前のバス停、玉島中央町から16:00発の両備バス新倉敷行きに乗車。10分ほどで到着。170円。両備バスSUICA可。JR新倉敷駅16:25発の列車に乗車。次の西阿知駅で下車。5分ほど。190円SUICA

f:id:pigmonm:20190125000732j:plain:w240f:id:pigmonm:20190125000725j:plain:w240f:id:pigmonm:20190125000718j:plain:w360
玉島文化センター前の、三木俊治《行列》※第2回展


f:id:pigmonm:20190125000709j:plain:w240
玉島文化センター前の、《水谷勝隆侯之像》(1986.1設置)。制作は宮本隆。玉島ライオンズクラブによる。水谷勝隆(1597-1664)は、1642年備中松山藩に移封され、初代藩主となった人物で、玉島の干拓を本格的に行い、玉島新田を開発し、その中心に羽黒神社を祀り、高梁川に高瀬通し(運河)を開通するなどの施策を実施し、玉島港開港につながる、その後の藩政の基を気づいた。制作の宮本隆(1917-2014)は、岡山県高梁市出身の彫刻家。高梁市各所に野外彫刻が設置されているようだ。>参考:高梁市 彫刻家 宮本隆の作品を展示しています


f:id:pigmonm:20190125001108j:plain:w240f:id:pigmonm:20190125001059j:plain:w360f:id:pigmonm:20190125001051j:plain:w240
倉敷市玉島支所前の、北裕行《きらめ樹》※第3回展・優秀賞 風で動く作品。こちらは、見上げると万華鏡を覗くように速い速度で形態が変化していく。


f:id:pigmonm:20190125001043j:plain:w360f:id:pigmonm:20190125001034j:plain:w360
倉敷市玉島図書館前の、中岡慎太郎《Dreamer》※第2回展・市長賞 おなじみの《Dreamer》。後ろ姿はやはり哀愁漂う…



f:id:pigmonm:20190125001427j:plain:w360



f:id:pigmonm:20190125001420j:plain:w360f:id:pigmonm:20190125001413j:plain:w360f:id:pigmonm:20190125115411j:plain:w240
清心町商店街(アーケード入口付近)の、峯田敏郎《記念撮影−ひとり−》※第4回展・優秀賞

  • 西阿知駅前の田中毅作品。 西阿知駅前の広場の片隅に設置された田中毅作品を観覧。まだ日があるので、西阿知駅前から、明日行く予定の倉敷運動公園まで歩いてみようかと思ったのだが、ちょっと距離があるみたいなので、歩き疲れていたこともあり、これはやめて、JR西阿知駅から、おとなしく16:44発の列車に乗って、倉敷に向かう。5分ほど。190円SUICA

f:id:pigmonm:20190125001406j:plain:w360
JR西阿知駅ホームから駅舎の後ろ姿を見る。


f:id:pigmonm:20190125001358j:plain:w240f:id:pigmonm:20190125002140j:plain:w360f:id:pigmonm:20190125002132j:plain:w240
JR西阿知駅前の、田中毅《草むらのやんちゃ坊主》※第3回展


  • 倉敷駅北口 まだ日があるし、多少の元気も残っていたので、倉敷駅の北口を探っておくことにした。まちかどの彫刻展作品が1基とアンデルセン広場の時計塔とアンデルセン像他の彫刻、さらにいちばん東側のロータリーの中央にもアンデルセン像があった。このアンデルセン像は、今はなき、倉敷チボリ公園に設置されていたものと知ったのは、帰宅して後のこと。確認してみたら、オレが前回倉敷に来たのは2006年のこと。そういえば、まだチボリ公園はあったな、などと思い出す。南口に出て、飲み物などを仕入れ、ホテルに向かう。途中、道筋のまちかどの彫刻展作品も観覧(明日の記事で掲載します)。

f:id:pigmonm:20190125002122j:plain:w240f:id:pigmonm:20190125002112j:plain:w240
JR倉敷駅北口広場の、居上真人《どうだながめは・・・》※第4回展


f:id:pigmonm:20190125003853j:plain
倉敷駅北口・アンデルセン広場。かつて北口前にあった倉敷チボリ公園(1997−2008)のイメージに合わせ、倉敷市が設置した。中央にデンマークコペンハーゲン市庁舎の時計台を2/3に縮小したからくり時計台が設置され、四方の高見には4人のヴァイキングが守護するように立っている。西側の階段ではアンデルセンが物思いに耽り、カスケードを流れるの水が時計台に流れ着いたところには人魚の像がある。

f:id:pigmonm:20190125003845j:plain:w360f:id:pigmonm:20190125003836j:plain:w240
人魚像とアンデルセン像。

f:id:pigmonm:20190125003826j:plain:w240
倉敷駅北口の、いちばん東側のロータリー中央の芝地にも、アンデルセン像が設置されていた。《詩人 H.C.アンデルセン》。オリジナルはヘンリー・ラッコウ・ニールセン(Henry Luckow-Nielsen)による(コペンハーゲンのシティ・ホール・スクエアに設置)。リーフ・ジェンセンが本像を鋳造(台座にタイトルなどとともに、"CAST BY LIEF JENSEN"とあり)。かつて、倉敷チボリ公園・切り絵の庭に設置されていたものとのこと。

  • 駅から10分ほど歩いて、ホテルに到着。今日、宿泊したのは、コートホテル倉敷。ツイン(といっても、無理矢理ベッドを2台入れたような感じ)のシングルユース。いつも泊まるようなビジネスホテルよりは宿泊料は少し高いが、価格比からすると、いまひとつかも。Wi-Fiなどは、まあ、大丈夫だった。まあまあ静かだったが、隣室の排水の音がちょっと大きい。あと、バスタブの湯を抜いたら、排水溝が溢れそうになったのは、いただけない。寝不足だし、歩き疲れたしで、風呂に浸かって、早々に寝る。