かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

仙台




錦町公園にて。

  • 7:00過ぎに起床。身仕度をして、1Fの朝食コーナーに行く。パン、ゆで卵、オレンジ、飲み物という、絵に描いたような軽朝食。以前、泊まったときは、品数もまあまああったふつうの朝食バイキングだった記憶があるのだが…一度部屋に戻り、忘れ物がないか、確認して、8:00過ぎにチェックアウト。
  • 今日は彫刻放浪:仙台編である。地下鉄の一日乗車券を買って、地下鉄でまわれる、仙台の野外彫刻を観て回る。仙台市にHPに、「彫刻のあるまちづくり」があり、これを参考にプランを練った。仙台市の彫刻のあるまちづくり事業は2期に分かれ、第1期を「杜と彫刻」、第2期を「杜の都の彫刻」と呼んでいる(以下掲載の、彫刻のあるまちづくり事業作品には「※」を付した。)。また、この事業以外にも、多数の野外彫刻、モニュメントがあり、思っていた以上に多くの彫刻作品を観て回ることができた。意外なものも多く、なかなかおもしろい。
  • まずは、ホテルから定禅寺通りを西に歩く。最初の目的地は勾当台公園のつもりだったのだが、錦町公園の桜が、きれいに咲いているので、ここで少し花を見ることにした。公園の中をゆっくり歩いていると、ここにも野外彫刻があった。ともに、柳原義達による白色セメント作品2点で、それぞれ仙台市レジャーセンターと仙台市公会堂を飾っていたものだとか。レジャーセンター、公会堂ともに老朽化のために取り壊されたが、この彫刻/レリーフはともに保存され、2002年に修復され、同年11月に、かつてレジャーセンターがあった錦町公園に設置された。作品タイトルはともに公募によって名付けられたそうだ。


柳原義達《集うーレジャーセンターの思い出》(1952頃制作/2002修復・再設置/白セメント)。仙台市レジャーセンター正面上方に設置(検索すると当時の写真を見ることができる)。タイトルは公募による。


柳原義達《和むー公会堂の思い出》(1950頃制作/2002修復・再設置/白セメント)。仙台市公会堂の外壁を飾っていたレリーフ。公会堂が市民会館に建て替えられる際に、取り外され、仙台市博物館に保存。2002年に修復・再設置された。タイトルは公募による。


  • 次は勾当台公園。ここにも、彫刻によるまち作り事業設置作品をはじめ、野外彫刻・モニュメントを見ることができた。


《いのり》(1994.3設置)。宮城県原爆被害者の会により、設置。県内の原爆犠牲者を悼み、核兵器の廃絶、世界の永遠平和を祈念して、設置された。折り鶴を手に、跪づいて祈る少女の像。台座には、千羽鶴が掛けてあった。


《平和》(1959.8.7設置)。宮城県内学校児童生徒職員、宮城県民有志により設置。彫刻者:翁朝盛・鋳造:岡本謙三・台石:高橋嘉兵衛。


《谷風》。勾当台公園で、おそらくいちばん有名なやつ。


一色邦彦《季の杜に》(1989)。※


阿部正基《のぞみ》(1961.10.28設置)。仙台青年会議所が第8回全国会員大会開催記念、仙台青年会議所創立10周年記念として建立。阿部正基(1912-1978)は仙台市出身の彫刻家。


志賀潔》(1969.10.17設置)。志賀潔先生遺徳顕彰会により設置。制作は阿部正基。


《織姫》(1987.5設置)。仙台ロータリークラブが創立50周年を記念して設置。制作は雨宮敬子。


吾妻兼治郎《時の広場 ーPiazza del Tempo》(1973/1973.1.23設置)。※「杜の都の彫刻7」

  • 定禅寺通り中央分離帯広瀬通りから西公園通りまでは緑地(定禅寺通緑地)になっており、中を抜けることができる。ここに、イタリア彫刻が3基設置されている。いずれも「杜の都の彫刻」作品。東から順に。


エミリオ・グレコ《夏の思い出》(1979) ※


ジャコモ・マンズー《オデュッセウス》 ※「杜と彫刻・10」



ヴェナンツォ・クロチェッティ《水浴の女》 ※


藤浩志公開制作作品。2018年1月26〜28日にせんだいメディアテークで開催した「ワケあり雑がみ部」の成果発表展示の際に公開制作されたもの。市民の持ち込んだ雑がみを利用して制作。


小林昭尚《子供の領分:夢見る時代》(1998.2.4設置) ※「仙台市彫刻のあるまちづくり事業第2期第9作品」。

  • 七北田公園(仙台市泉区)の野外彫刻 仙台市では、彫刻のあるまちづくり事業の他にも、シンポジウム開催による彫刻設置を数度行っているようで、七北田公園には1989年の国際シンポジウム作品が2基設置されていた。この他、池のほとりに、エミール・アントワーヌ・ブールデル《ペネロープ》が設置されていたが(1989.7.28設置)、ネットを利用したゲームかなにかの会場になっていて、ゲーマーがちょうど像の回りに集まっていて、写真は撮れなかった。ちなみに、《ペネロープ》は、ここの他にも、先日観てきた北九州市立美術館・本館をはじめ、松岡美術館栃木県立美術館島根県立美術館などに所蔵/展示されているようだ。






黒川晃彦《晴朗な日》(1991)。タイトルは、黒人ゴスペルの「Uncloudy Day」から採ったとのこと。 ※「杜と都の彫刻・2」


ジェラード・ハウエル《無題》(1998)。「せんだい国際彫刻シンポジウム1989年作品」。ジェラード・ハウエルはオランダの彫刻家。


アイリーン・マクドナー《蛍》(1998)。「せんだい国際彫刻シンポジウム1989年作品」。アイリーン・マクドナーはアイルランドの彫刻家。


新宮晋《風景の記憶》(2000.1.24設置)。※「仙台市彫刻のあるまちづくり事業第2期第11作品」



佐藤忠良《緑の風》(1977/1978.4設置) 小高い丘の上に立っている。※「杜と彫刻・1」。彫刻のあるまちづくり事業の第1作。



柳原義達「平和とやすらぎの広場」(1993)。《道標・鳩》シリーズ15点と台座石伊達冠25点を組み合わせた野外彫刻インスタレーション。※「杜の都の彫刻」第4作。



岩野勇三《牧歌》(1987)。岩野勇三(1931-1987)の最後の作品。地下鉄旭ヶ丘駅東口前。※「杜と彫刻・11」。



舟越保武茉莉花》(1978)。台原入口近くに設置。※「杜と彫刻・2」。

  • 地下鉄南北線で、台原駅→南長町駅と移動。駅前に彫刻のあるまちづくり事業作品が1点設置されている。これを見たあと、お腹も空いてきたので、近くのショッピングモールで昼食を食べる。


建畠覚造《WAVING FIGURE 波貌》(1991)。※「杜の都の彫刻・1」。

  • 南長町駅→仙台駅→大町西公園駅と、地下鉄南北線東西線を乗り継ぐ。地上に上がって、西公園の野外彫刻を探る。桜祭りが開催中で、あまりじっくりとは見られない。なお、このあたり、石碑多数あり。


朝倉響子《ふたり》(1983)。※「杜と彫刻・7」。桜祭り「櫻丘花見」の会場となっており、近づけない上に、周囲には資材が積まれていた。いくらなんでも…という感じだな。


雨宮敬子《杜に聴く》(1985)。※「杜と彫刻・9」。背後が、公園改修工事?のベースになっていた。

  • 広瀬川を渡って、宮城県美術館へ。ここで、美術館の野外彫刻を観て回る。主に、美術館前、佐藤忠良記念館周辺、アリスの庭、美術館北庭に野外彫刻が設置。


ヘンリー・ムア《スピンドル・ピース LARGE SPINDLE PIECE》(1968-74)



ダニ・カラヴァン《マアヤン SPRING OF LIFE》(1995)

  • 佐藤忠良記念館 現在、改修工事中(4月15日まで)で、中には入れない。南側の2点の他に、北側のテラスにも設置されている作品がいくつかあるようだ。北庭から行けるらしいが、すっかり見落としてしまった。失敗。佐藤忠良《少年の像》《夏》《あぐら》、舟越保武《原の城》が設置されているとのこと。これは次回の宿題ということで。


佐藤忠良若い女》(1971)


佐藤忠良《カンカン帽》(1975)

  • アリスの庭 本館と佐藤忠良記念館の間の地下部分に設けられた野外彫刻庭園。内外の彫刻家による野外彫刻が設置されている。本館と床面がレンガ、記念館の壁面がミラーになっているのが特徴的。純粋階段もある。


宮城県美術館・アリスの庭の野外彫刻

  • 佐藤忠良《二歳(大)》(1972) 
  • 山本正道《みちくさ》(1987) 
  • 佐藤忠良《牧神・人魚》(1967) 
  • 掛井五郎《ベエが行く》(1984) 
  • フェルナンド・ボテロ《猫》(1984) 
  • 柳原義達《道標・鴉》(1978/1984) 
  • トム・オタネス《蛙とロボット》 
  • バリー・フラナガン《野兎と鉄兜》(1988) 
  • 佐藤忠良《ジャコビン》(1977) 
  • 黒川晃彦《馬上のあの人》(1981) 
  • 舟越保武《リンゴもつ少年》(1985) 
  • 美術館北庭


吉野辰海《水犬》(1992)


フェルナンド・ボテロ《馬に乗る男》(1985)


新宮晋《時の旅人》(1981)

  • ひとわたり、野外彫刻を観て回った後に、美術館の中に入り、コレクション展示を観覧する。佐藤忠良記念館が改修工事中で観覧できないので、通常の300円が200円で観ることができた。コレクション展示・平成29年度第IV期。冒頭で、「特集:佐藤忠良」として、《群馬の人》《常磐の大工》《木曽》《魚商の女》といった初期の、市井の人、労働者の顔の彫刻や、子供をテーマにした彫刻など。『おおきなかぶ』の原画なども観ることができた。続いて、日本の近現代美術、洲之内コレクション、コラージュ、クレーとカンディンスキー:色彩、といった内容の展示。洲之内コレクションのコーナーに、長谷川りん二郎の《猫》が出ていた。ちょっとうれしい。なお、エントランスロビーにも、ジャン・アルプなどの彫刻があった。
  • 美術館近くの7でコーヒー休憩の後、青葉山公園の野外彫刻を観て回る。


地下鉄国際センター駅南側の、フランシスコ・スニガ《三世代》 ※


仙台市博物館前の、藤原吉志子《逓-昨日・今日・明日-》。だいぶ日が陰ってきた。ぼちぼち肌寒くなる。 ※



大手門脇櫓近くの、《支倉常長像》(1972.11.13建立)。制作は佐藤忠良支倉常長の生誕400年を記念して、支倉常長顕彰会と河北新報社が建立。下の写真は、台座正面にあるレリーフ、《支倉常長乗船 さん・ふわん・ばぷちすた号》。1973年10月には、支倉常長ゆかりの地であるメキシコ・アカプルコ市にも同じ像が建立された。


フィギュアスケート発祥の地、五色沼前の、記念碑《無限への軌跡》。制作は、翁ひろみ。


仙台国際センター前の、武藤順九《風の環・PAX2001》

  • 最後に、青葉城本丸城趾に登る。逆光の上、iPhoneのメモリーに余裕がなくなったので、伊達政宗騎馬像と昭忠碑の写真は割愛。昭忠碑の被災と修理・再設置の件、今さらながら、はじめて知る。
  • 再び、国際センター駅まで歩き、地下鉄で仙台に戻る。時間の余裕があるので、アーケード街に出て、適当な夕食を適当に食らい、帰路につく。帰りは新幹線やまびこ158号、仙台20:17→22:24東京。途中、列車待ちあわせで、数分遅れるが、これをとりもどし、オンタイムで東京駅に到着。23:30過ぎには家に帰り着いた。今日は、さすがに歩き疲れた。


蜥蜴ちゃん