かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

旭川

  • 秋の北海道シリーズ第3弾である。旭川と空知のいくつかの市と町の野外彫刻を観てきた。旭川は2回目だが、2日目に行った町はどこも初めて行くところである。彫刻放浪がお目当てであるが、中でも、大きなお目当ては、旭川市にある北海道療育園の「風のギャラリー 彫刻の森」と、上砂川町の石炭歴史館前にある坑夫像《敢闘》の2つ。両方とも、無事に観覧できて、とてもうれしい。
  • さて、出発。最寄り4:58発の始発バスで羽田空港に向かう。ほぼ定時運行で、羽田空港T2には5:50頃、到着。行きは、Air Do 881便、羽田6:45→8:20旭川の予定。早々に保安検査場Aを通過して、出発ゲートに移動。付近の椅子で、出発を待つ。15分前から搭乗が始まり、あとはだいたい予定どおり。例によって寝不足で機中は寝ていたが、今回はオニオンスープをちゃんと飲んだゾ笑 旭川市内行きの連絡バスは8:50発なので、乗車券(620円)を買って後、発車までの時間を利用して、レルヒ像などを観覧。


旭川空港・駐車場の、《レルヒ中佐顕彰像》(1990)。制作は北村善平。北村善平(1926-)は旭川市出身の彫刻家。

  • 彫刻放浪:旭川編 連絡バスは8:50に出発し、40分弱で旭川駅前に到着。前回は終点の市役所前まで行ったが、今回は自転車をレンタルする都合で、駅前で下りた。前回の旭川訪問(→ここここ)は11月上旬で、晩秋というか、冬の始まりという頃合いだったが、今回はそれよりも1月早い10月上旬の訪問で、まだそれほど寒くなっていない。ということで、今回は自転車を借りて、野外彫刻を見て回ることにした。天気予報では、あまりぱっとした天気ではないとの予報だったが、今日は夕方までは雨は降らないようなので、思い切って自転車を利用することにした次第。今回の旅行は、雨仕様で来たのだが、幸いにも両日ともほとんど雨が降らなかった。ラッキーである。自転車は、旭川駅のビル内にある旭川観光物産情報センターで借りた(旭川観光レンタサイクル)。9:00〜17:00の利用で、料金は普通自転車が500円/1日だった(他にクロスバイク1000円/1日)。ここのところ、レンタサイクルは当たり続きだったのだが、今回の自転車は、ギヤが重く、乗り心地が今ひとつで、なんだかなであった。ベルも壊れていたりで、もう少し整備はしてほしいもの… まあ、それはそれとして、足が確保できたので、今回のお目当てである「風のギャラリー 彫刻の森」を目指して、出発進行! まず、駅前大通の緑橋通りを北上、8条通りに西に折れる。と、買物公園の北のどんづまりにある手の像が見えた。せっかく通りかかったので、ここからロータリーに向かう道沿いにある3基の野外彫刻を見て回る。続いて、ロータリーを回って、国道40号線を北上、旭橋を渡り、そのまま国道40号線を走り、スタルヒン球場前、花咲スポーツセンター前と野外彫刻を探る。自衛隊旭川駐屯地の北東角まで来たところで、花咲通に折れ、道なりに北西へと走る。このあたりで、道なりにまっすぐ走るのに飽きて笑、あっちへ曲がり、こっちへ折れてとふらふらし出す。が、無事に末広高台通に至り、ここからは道なりに再び西へと走る。国道12号の上にかかる陸橋を通り、旭川実業高校の横を抜ける。実はこのあたり、通りの名にあるように高台に上る坂道で、結局、自転車を降りて、押して上ったのであった。う〜む、きつかった。目印にしていた、7の春光台2条店を見つけ、ここで道を右に折れ、数分走って、なんとか無事に北海道療育園に到着。このあたりは旭川の郊外という感じの地区だろうか。緑の多い閑静な住宅街と、いくつかの福祉施設が混在している地区だった。駅から走り出して、1時間ちょい。もちろん、北海道療育園近くまで来るバスもあるが、本数が少ないし、うまく時間も合わない。なので、バス利用については二の足を踏んでいたのだが、こうして天気がもって、自転車で来ることができて、幸いだった。野外彫刻は、秋色が深まりつつある園の前庭の中に散在しており、一つ一つ、それぞれの特徴を活かした設置の仕方だった。周囲の環境も含め、メンテも行き届いており、素晴らしかった。こころ温まる時間を過ごすことができたように思う。なお、下記掲載の他に、もう1基、野外彫刻があるようだが、設置場所が建物の中庭?らしく、今回は遠慮することにした。まあ、ここは、オレ的には、野外彫刻園ベスト5入りは確定だな。


買物公園(8条)の、木内禮智《手》(1972)


8条斜線通の、善本秀作《石狩の夏》(1976)


8条斜線通の、山内壮夫《隼の碑》(1957)。この日は、この後、同じ作者の同シリーズの作品をいくつか観ることになる。


スタルヒン球場前の、《スタルヒン像》(1979)。制作は本田明二。


花咲スポーツ公園入口付近の、北村善平《少年の夢》 「飛べ! 大空へ 力の限り より高く より遠くへ」。個人の寄贈。

  • 北海道療育園・風のギャラリー 彫刻の森の野外彫刻

>参考:社会福祉法人 北海道療育園・風のギャラリー 彫刻の森 

《慈育》(1978.10.16設置)。いつくしみの像建設期成会による。制作は寺原実。


佐藤忠良《人魚》(1967)


加藤昭男《小川に魚が帰った日》(2001)


山内壮夫《子を守る母たち》(1973)


吾妻兼治郎《森の中に》(2002)。ミラノにて制作。


加藤顕清《婦人像・昼》(1957)


山内壮夫《風の中の母子像》


内田晴之《交差する形》(1995〜2004)


笹戸千津子《あい》(2004)


土谷武《開放VI》(2003)


眞板雅文《連山夢想−旭川》(1995)


渡辺行夫《風の庵》(2000)


西野康造《気流》(2003)


イサム・ノグチの遊具、《プレイ スカルプチャー》(2006)[左]と《オクテトラ》(2006)[右]


植松奎二《浮くかたち−宙》(2002)


北海道療育院・前庭の木立の中に、野外彫刻などが散在する。

  • 中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館の野外彫刻 旭川でのお目当て見学を終え、あとはのんびり行くつもり。ということで、あとは自転車でふらふらと行く。先ほどの7まで戻り、ここでコーヒーを買って、一息つく。その後、再び来た道を旭川実業高校の少し先の国道12号線を渡る橋のところまで戻る。高校の少し先に立原道造の詩碑があった。橋を渡った後は適当にふらふらと細い道を自転車走らせ、春光園まで戻ってきた。ここで、彫刻美術館に立ち寄る。まず、野外彫刻を観覧。六角堂の周囲に設置されていた。その後、彫刻美術館へ。入館料300円。2Fの常設展示、1Fの収蔵作品展「ぬくもりの彫刻 木とテラコッタと」を観て回る。常設展示を観るのは2回目だが、中原悌二郎作品12点、悌二郎と同時代の作家の作品、中原悌二郎賞関連の現代作家の作品など、やはり見応えがある。次の目的地へ向かおうと、春光園を通り抜けたら、今年の旭川彫刻フェスタの公開制作作品が新しく設置されていた。


山内壮夫《お母さんのひざ》(1956/コンクリート


西雅秋《Innocence-Wedge》(1998/鉄・ブロンズ)。第30回(1999)中原悌二郎賞優秀賞。


五十嵐晴夫《メビウスの立方体》(1978/白御影石、黒御影石)。第10回(1979)中原悌二郎賞優秀賞。


中原延也《鳥化する丘》(1989/本小松石)。第21回(1990)中原悌二郎賞優秀賞・代替作品。


寺田栄《石走る》(2004/白御影石)。第34回(2005)中原悌二郎優秀賞。


これは春光園(彫刻美術館前の公園)に設置されていた最新作。明地信之《エゾユキウサギ》(2018)。旭川彫刻フェスタ2018・公開制作作品。


そして、春光園のベンチ。

  • 橋の彫刻 次は、石狩川にかかる花咲大橋や牛朱別川(うしゅべつがわ)にかかる幾つかの橋上に設置された野外彫刻を観て回ることにした。まず、春光園前の花咲通を道なりに東に進み、石狩川にかかる花咲大橋の袂に設置された山内壮夫作品2基を観覧。そのまま、河川敷に下りて、石狩川沿いに自転車を走らせる。川を見ながら走るつもりだったのだが、河川敷は広大で!?、しかも、川のすぐ近くに樹木が生い茂り、流れは全然見えないのであった笑 旭橋近くの川縁の公園、リベライン旭川パークを抜け、牛朱別川にかかる橋上の野外彫刻を観て回る。


花咲大橋より石狩川上流方向を望む。


花咲大橋(西詰北側)の、山内壮夫《隼の碑》(1970/ブロンズ)


花咲大橋(東詰北側)の、山内壮夫《鶴の舞》(1966/ブロンズ)


石狩川河川敷から、石狩川下流方向を望む。流れが速い。少し木々に隠れているが、旭橋が見える。


ここからは、牛朱別川にかかる橋上の野外彫刻。いちばん西側の緑橋の、加藤顕清《人間像・感情》(1959/ブロンズ)。※タイトル板は《人間像》。


次の永隆橋は笹戸千津子作品。西側の、笹戸千津子《女》(1989/ブロンズ)。


永隆橋・東側の笹戸千津子《微風》(1993/ブロンズ)。東京宝塚劇場前にもあるやつね。ところで、今回の旅行では、この後も、多くの笹戸千津子作品を観ることとなった。


永隆橋から東方向を臨む。大雪山が遠望できる。


永隆橋の次の中央橋には彫刻はなく、その次の日之出橋に木内克作品が設置。西側の木内克《裸婦立像》(1961/ブロンズ)。


日之出橋・東側の、木内克《裸婦》(1968/ブロンズ)


最後の新成橋は山内壮夫作品。西側の、山内壮夫《隼の碑》(1957/ブロンズ)。「隼の碑」シリーズの中でも初期の作品で、いちばん小さく、いちばん複雑なフォルム。


新成橋・東側の、山内壮夫《風の中の母子像》(1955/ブロンズ)。先ほど、風のギャラリーでも観た作品。

  • 続いて、7条緑地、常磐公園の野外彫刻を再訪することにした。


緑橋通・9条の、藤井忠行《橇の記》(2002/2002.6設置/白御影石)。


買物公園・7条の、一色邦彦《鳥人譜》(1979/ブロンズ)


買物公園・7条の、中井延也《開拓のイメージ》(1972/コールテン鋼)。写真右は10月11日早朝の撮影。

  • 7条緑道の加藤顕清 Revisited 西から順に。


加藤顕清《婦人像・裸立像》(1938/ブロンズ)


加藤顕清《婦人像・着衣》(1964/ブロンズ)


加藤顕清《男子座裸像》(1965/ブロンズ)


加藤顕清《思惟像》(1961/ブロンズ)


加藤顕清《人間像・青年》(1960/ブロンズ)


加藤顕清《人間》(1951/ブロンズ)


加藤顕清《母子像》(1963/ブロンズ)


まずは「偉人像」から。北村西望《永山武四郎之像》(1967/ブロンズ)。


田村史郎《岩村通俊之像》(1990/ブロンズ)。


山口牧生《傾くかたち'84》(1984/黒御影石)。第14回(1983)中原悌二郎賞・代替作品。


大成浩《風の塔 No.8》(1987/御影石)。第18回(1987)中原悌二郎賞。


オシップ・ザッキン《人間の森》(1957/ブロンズ)


エミール・アントワーヌ・ブールデル《雄弁》(1923/ブロンズ)


本郷新《風雪の群像》(1970/ブロンズ)


三木俊治《行列》(1989/ブロンズ、コールテン鋼)。第20回(1989)中原悌二郎賞優秀賞。


空充秋《地》(1984/白御影石)。第16回(1985)中原悌二郎賞優秀賞。


空充秋《生きる》(1989/青木石)。第19回(1988)中原悌二郎賞。


志水晴児《凍れる滝》(1975/黒御影石


高橋清《親和》(1974/白御影石


新田実《青年像》(1961/ブロンズ)。旭川市の野外彫刻1号の「北限の裸のサル」。

  • これで、自転車で回る予定の野外彫刻はだいたい見終わった。ただ今16:00少し前。自転車を返却するまで、まだ1時間ほどある。ということで、駅の南東にある神楽岡公園の青木野枝作品に行ってみることにする。ただ予習をほとんどしていないので、無事にたどり着けるかはあまり自信がない。永隆橋通をひたすら南下し、JRの高架をくぐり、駅の南側に広がる北彩都ガーデン、さらに宮前公園を抜け、途中に道に迷いつつも、神楽岡公園に到着。残り時間は30分。あまり時間がない。しかも、公園ははなはだ広い。時間の許す限り、探してみるが、公園設置のマップには記載がなく、残念ながら、とうとう時間切れとなってしまった。青木作品は、次回を期すこととし、旭川駅に引き返し、自転車を返却する。追記(2021.4.15):神楽岡公園の青木野枝作品は、2019年6月26日に無事に観覧。→ここ


北彩都ガーデン・ガーデンセンター近くの、折原久左ェ門《抱》(1975/コールテン鋼)。空港からの連絡バスに乗っているときに見えた。

  • 旭川市彫刻美術館ステーションギャラリーと駅構内の彫刻 自転車を返却した後、駅構内にある旭川市彫刻美術館ステーションギャラリーに立ち寄った。企画展「近代デザインの名作椅子展 織田コレクションから」を観覧。無料。彫刻の作品集なども置いてあるので、これも合わせて観てきた。この後、今日の最後に、駅構内にある彫刻を観て回った。


ステーションギャラリー前の、神田比呂子《Le Lac(みずうみ)》(1987/ブロンズ)。作者の寄贈により、2013年3月に設置。神田比呂子(1932-)は、釧路市出身の彫刻家、元大学教員(旭川大学短期大学部)。《Le Lac(みずうみ)》は、なんでも当時の学生をモデルにしているとか。


江口週《繋がれたアーチ》(1993/樟)


若林奮《Daisy III-2》(1996/鉄、石膏)。こんなところで、若林作品に会えるなんて…嬉



安田侃《天秘》(ブロンズ)

  • これで、今日の予定は終了。駅前のイオンで買い物をして、買物公園を抜けて、今日宿泊するホテルに向かう。途中、味噌バターコーンラーメンなどを夕食に食らう。美味しかった。20分ほど歩いて、ホテルに到着。今日宿泊するのは、先ほど彫刻を観て回った7条緑地の近くにある旭川トーヨーホテル。朝食なしで、3500円。7階のツインをシングルユース。ツインにしては、部屋はあまり広くなかった。設備は古かったが、大きな難はなし。Wi-Fiも無事に拾えた。枕元に電源がないのが難だったかな。同じフロアにグループ客が泊まっていて、これがうるさくて少々弱らされる。まあ、酒盛りするわけでもなく、大過はなかったが。明日も早いので、風呂につかり、早々に寝入る。