かけらを集める(仮)。

日記/旅行記+メモ帳+備忘録、みたいなものです。

郡山 彫刻放浪:郡山→福島[第1日]

  • 今回の彫刻放浪は、郡山と福島である。昨年の夏に行く予定を立てていたのだが、台風襲来と重なり、キャンセルせざるおえなかった。今回は、その再戦である。ちょうど福島県立美術館で「伊藤若冲展」が始まったところで、併せてこれも観てくることとした。混んでるかな? 天気は、両日とも晴天ではあったが、風が強く、特に2日目の自転車でうろうろした時には酷い目に遭った。とはいっても、だいたいの予定はこなすことができ、まあまあ楽しい旅であった(予定はこなしたが、予定以外の彫刻が他にもあり、しかも、すぐ近くを通ったのに気づかなかったことがわかり、ちょっと悄然…まあ、また行くさ苦笑)。
  • 彫刻放浪:郡山編 郡山は何度か来たことがあるが、乗り換えに際し、小一時間ほど駅周辺をうろうろしたとか、ホテルが格安だったので、夜遅くに来て、1泊したとかで、本格的に歩き回ったことはない。今回が初めて、みたいなものである。事前調査では、郡山出身(つまり「郷土」)の彫刻家、三坂耿一郎と佐藤静司の作品が多く設置されていることがわかった。中でも三坂耿一郎作品は特に目だった。場所はJR郡山駅を起点に、JR郡山駅東口→北口/西口→本町緑地→中町緑地/郡山消防署→文化通り/けんしん郡山文化センター→池ノ台緑地→荒池公園→麓山公園/21世紀記念公園 麓山の杜→こおりやま文学の森/郡山総合体育館/開成山公園→芳山公園/安積国造神社と、歩いて回った(一部でバスに乗った)。予習で場所がわれていた作品のうち、駅から遠いいくつかの作品にたどり着けなかったのはちょっと残念かも。

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三坂耿一郎《或るロマン》 。台座にはタイトル板(作品名と「日本芸術院会員 三坂耿一郎作」とある。どの像も律儀に肩書きつきだった笑)のみで、設置年や設置経緯がわかるような情報はなかった。市内の公園などの公共空間に設置されている野外彫刻は、行政(市)による設置だと思われるが、この像の場合と同様、設置経緯にかかわる情報がなく、詳しくはわからなかった。公園などの整備した際に設置されたか、彫刻のある町づくりのような公共事業で設置されたとは思うが… 三坂耿一郎(1908-1995)は福島県郡山市出身の彫刻家。東京美術学校彫刻科で朝倉文夫北村西望、建畠大夢らに師事。東京美術学校研究科修了後は、清水多嘉示に師事する。主に官展-日展で活動。


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同じ広場に「高校三年生」歌碑もあった(2003.4.13)。「高校三年生」歌碑建設実行委員会による。「高校三年生」は、丘灯至夫作詞、遠藤実作曲、舟木一夫歌唱による、1963年大ヒットの青春歌謡の金字塔! 作詞の丘灯至夫(おか・としお、1917-2009)が福島県小野町の出身で、郡山で青春期を過ごしたとのこと。そのゆかりもあり、丘灯至夫の業績顕彰と「高校三年生」が国民の愛唱歌として歌い継がれることを祈念して、この顕彰碑が建立されたとのこと(説明板による)。で、この顕彰碑のデザインを担当したのが、三坂制なので、ここに掲載した次第。ここのところ、ちょっと気になっている彫刻家の三坂制だが、彼は三坂耿一郎の子息だったりする。逆光で、碑の歌詞が全然見えないのが残念…でもないか(失礼)。


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佐藤義重、他《建設》(1942)。女神を中心に人々が植樹する様子が描かれたレリーフ。佐藤義重他8名が、東京美術学校彫刻科塑像部を卒業する記念に共同制作した作品。1951年郡山駅の戦災復興時に寄贈され、その後、1980年12月東北新幹線郡山駅舎改築の際に、社団法人郡山青年会議所により修復されたもの(説明板による)。現在は、東西自由通路の西口側、鉄道警察の近くの壁面に設置されている。


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北口ペデストリアンデッキ上の、佐藤静司《抱きしめる》。佐藤静司(1915-)は福島県郡山市出身の彫刻家。はじめ同郷の木彫家、三木宋策に、戦後は澤田政廣に師事し、木彫を学んだ。主に日展で活動。ということで、三坂耿一郎と並んで、郡山各所に多くの彫刻が設置されている。


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フロンティア通り入口(駅寄り)付近の、北村西望《将軍の孫(小)》。《将軍の孫》は、いろいろなところに設置されているが、小バージョンが野外に設置されているのは、初めて観た(と、前回も書いた)。


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フロンティア通り入口(駅寄り)付近の、佐藤静司《街》

  • 本町緑地

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三坂耿一郎《チュールの少女》(1977)

  • 郡山消防署

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佐藤静司《愛の光》(1996/1999.3設置)。消防庁舎竣工記念。

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文化通りの、三坂耿一郎《賢者への告知》


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文化通りの、三坂耿一郎《猫》(1977.4)。猫を頬ずりして、嫌われている!?ところらしい笑


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文化通りの、三坂耿一郎《無題》


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ケンシン郡山文化センター前の、三坂耿一郎《翔》(1984.9)。


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ケンシン郡山文化センター前の、三坂耿一郎《翔》。上と同じタイトル。これが今日観た三坂作品では、オレ的ベストワン。ワン。


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ケンシン郡山文化センター・エントランスロビーの、佐藤静司《若い譜》(1974)。木彫。文化センターにはもう1基、《若い譜》の後ろに見える階段にあがったところから見える中庭に、佐藤静司《母と子》が設置されている。ガラス越しに観覧できたが、写真はなし。


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もう一つ、ゆるキャラを。郡山市イメージキャラクターの「がくとくん」。がくとは「楽都」という字を宛てるようだ。バンドもやっているらしい。

  • 池ノ台緑地と荒池公園

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池ノ台緑地の、三坂耿一郎《抱と抗》(1979)


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荒池公園


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荒池公園(西側の芝地)の、三坂耿一郎《遊ぶ》。この作品は明日回る福島にも設置されていた。


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荒池公園(西側の芝地)の、湯川隆《そよ風に吹かれて》。設置場所の芝地が養生中のため、立入禁止の縄が張ってあり、遠くから眺めることしかできなかった。なので、台座周りはノーチェック。ちょっと残念。

  • 麓山公園/21世紀記念公園 麓山の杜

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遠藤大介法律事務所前の、象像…


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麓山公園の安積疎水麓山の飛瀑


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21世紀記念公園 麓山の杜の、長谷川雅也《Inochi 06-1》(2006.4.10設置)。ライオンズクラブ国際協会332-D地区の寄贈。


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21世紀記念公園 麓山の杜の、三坂耿一郎《母根っ子の標》

  • こおりやま文学の森とその周辺

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こおりやま文学の森・久米正雄記念館近くの、《久米正雄先生像》。この胸像は、久米正雄の訃報を聞いた横山隆一が、一晩で作りあげ、仏前に供えた石膏像をもとに制作されたものだとか。


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郡山総合体育館前の、《悠久の平和(平和の女神像)》(1953.8.27)。制作は古賀忠雄。株式会社渡久商店の寄贈。当初は郡山駅前の戦後復興事業の完成を記念して、駅前広場中央ロータリーに設置されたが、駅前の再開発のため、ロータリーが撤去された際に、現在地に移設された(説明板による)。


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せせらぎのこみち(東端の出入り口付近の広場)の、三坂耿一郎《洞》。今回は訪ねられなかったが、せせらぎのこみちの西端の出入り口付近にも三坂耿一郎作品が設置されている。

  • 開成山公園

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バラ園の白セメントの裸婦像。バラ園が閉館中で、中に入れなかったので、遠望した。佐藤助雄作とのこと。


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五十鈴橋近くの、名久井十九三《美のり》もしくは《友愛》(1984.9.8建立)


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安積開拓顕彰モニュメント《開拓者の群像》(1992.10)。郡山市がふるさと創生事業により設置。制作は三坂耿一郎。
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モニュメントの左側
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中央基部のレリーフ
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左側。左から、安積原野開拓に関わった中條政恒(安積原野開拓に尽力。「安積開拓の父」)、大久保利通(殖産興業、士族授産などを目的に安積開拓プロジェクトを推進)、コルネリウス・ファン・ドールン(安積疎水開鑿を行ったお雇い外国人のオランダ人土木技師)の3人と開拓者一家。
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モニュメントの上の鳥は郡山市の鳥の「カッコウ」。

  • 芳山公園/安積国造神社 さすがに歩き疲れたので、戻りはバスを利用することにした。福島交通バスで、郡山女子大バス停から虎丸バス停まで。10分ほど。200円。ここからは徒歩で、郡山編の最終ラウンドへ。

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芳山公園の、三坂耿一郎《塊》

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郡山信用金庫・本店営業部前の、小泉隆一《清水台のオブジェ「水の台座」》(1995)。郡山信用金庫創立70周年記念事業。本来はオブジェの上を水が流れるらしい(故障のお知らせを作品に針金でくくりつけちゃ、ダメよ笑)。

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郡山駅入口交差点(南西)の、小泉隆一《歩き出す街》(1995)


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郡山国造神社境内の、安積艮斎像《艮斎先生之像》


  • JR郡山駅に戻り、16:12発の福島行きに乗車。17:00頃、福島に到着。今日の最後に福島駅東口の駅前広場の野外彫刻/モニュメントを掲載。

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古関裕而 生誕100年記念モニュメント」。福島市名誉市民第1号の、作曲家の古関裕而(1909-1989)が、2009年(平成21)8月に生誕100年を迎えるのに合わせ、その功績と栄誉を讃えるために設置された(説明板による)。古関先生、とってもチャーミング!


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奥の細道芭蕉曾良の旅姿立像)》(1989)。制作は原田新八郎。福島商工会議所が奧の細道300年を記念して建立。当初は別の場所に設置されていたようだが(どこ?)、2005年11月に現在地へ移設された(説明板による)。こちらの二人は強面。福島県白河市白河関の森公園にある芭蕉曾良像と同じものかな。