北九州彫刻放浪 第2日:北九州市立美術館→高炉台公園→東田第一高炉史跡広場→官営八幡製鐵所旧本事務所眺望スペース
高炉台公園野外音楽堂の《自由》《労働》《平和》《青春》の4像。※左から
- 7:00過ぎに起床。身支度をして、1Fで朝食。軽食で品数は少ない。カレーライスとサラダ、コーヒーなど。一度部屋に戻り、一休みして、8:00過ぎにチェックアウト。西鉄バスで北九州市立美術館に向かうので、バスの出る小倉駅入口バス停まで歩く。8:39発に乗るつもりだったが、まだ15分近くも待たなければならないので、じっとしているのが寒いこともあり、少し先のバス停まで歩くことにする。途中、井筒屋小倉店(デパート)の入口に佐藤助雄の銅像を見つける。西小倉駅前まで歩き、ここからバスに乗る。バスは7・鞘ヶ谷行きのバスで、20分強で目的地の美術館口バス停に到着した。260円IC。ちなみに、西鉄はバスも電車もSUICA可。
- 北九州市立美術館/美術の森公園の野外彫刻 北九州市立美術館(本館・アネックス)は戸畑区の中央緑地の丘陵に美術の森公園として整備されている。本館の建築は磯崎新の設計で1974年に竣工、開館した。2015年に長期休館に入り、2年間にわたる大規模改修を行って、最近再開館したばかり(隣接の市民ギャラリーとして使用されていたアネックスは現在も改修中)。北九州市立美術館(本館)周辺の野外彫刻は、主に美術館口バス停付近から美術館までの遊歩道とその周辺(車道沿いに、けっこうエロチックな裸婦像があったりして、ドライバーが見とれて、事故らないかと心配…笑)、それから美術館前の広場に設置されている。遊歩道とその周辺は主にブロンズの女性像が中心で、美術館前広場は石の抽象作品が目立つ。七条バス停から美術館前まで無料のシャトルバスが運行されているが、今回はこれに乗らずに、美術館口バス停から、野外彫刻を回りながら、美術館に向かうことにした。
「丘の上の双眼鏡」というより、ウルトラマンものの科学なんちゃら隊の基地という雰囲気。
北九州市立美術館/美術の森公園の野外彫刻
- 中西久吉《マイナス空間》(1987/1987設置/鉄)
- 茂木弘行《雪椿の乙女》(1982/1989設置/ブロンズ)
- 笹戸千津子《長衣の女'82》(1982/1988設置/ブロンズ)
- 中村晋也《赤とんぼの季節》(1986設置/ブロンズ)
- 岩野勇三《りか》(1984/1989設置/ブロンズ)
- 平春美保《冬の雲》(1978/1989設置/ブロンズ)
- 朝倉響子《ジュリー》(1987/1990設置/ブロンズ)
- 森田やすこ《煌》(1988/1988設置/ブロンズ)
- 桜井祐一《水鏡》(1984設置/ブロンズ)
- 榎倉康二《壁》(コンクリート)
- フランク・ステラ《八幡ワークス》(1993/1993設置/ステンレス)
- 厚地正信《4つの四角なオベリスク》(1978設置/花崗岩)
- 三谷慎《抱擁》(1990設置/ブロンズ)
- 小澄素明《作品》(1977設置/石)
- 鬼塚恵司《マイル・ストーン》(1975設置/ステンレス)
- 山口牧生《四角い石》(1979設置/石)
- 野水信《祭典に》(1974設置/安山岩)
- 大貝滝雄《亜空間》(1976設置/花崗岩)
- 坂口央也《ぐるぐるぐる》(2006設置/石)
- 宮脇愛子《MEGU-1997》(1977設置/花崗岩)
- 福富知徳《漂流》(1977/青銅) ※写真なし
- 若林奮《作品No.2》(1992/コールテン鋼)
- 鶴田清二《久しく清らかなる日々》(1991設置/黒御影石)
※観覧順。
>参考:美術の森公園 屋外彫刻配置図
- リニューアル・オープン記念「ザ・ベスト・コレクション 丘の上の双眼鏡」 続いて、館内に。再開館の記念特別展がターナー展で、これを見たかったのだが、残念ながら、今回の旅行とタイミングがあわず、コレクション展のみの観覧となった。とはいっても、展示はコレクションの中から選りすぐりを展示した内容で、見応えのあるものだった。150円。なお、副題の「丘の上の双眼鏡」は、建物の外形からつけられた美術館の愛称(的なもの)とのこと。
- コレクション展とは別に、館内にも数点の彫刻が常設展示されていた。1Fにロダン、ブールデルの作品が、3Fには今回のリニューアルを記念して制作された青木野枝の作品があり、また、美術館裏手に設置されている若林奮の作品もガラス越しに観ることができた。また、1Fのエントランスにミュージアムショップがあり、過去の展覧会の図録などをチェックする。柳瀬正夢の図録など、いつくか欲しいものもあったが、荷物になるなど、諸般の事情で見送る。いささか心残り。
- シャトルバスで七条に出て、そこから次の目的地の高炉台公園の最寄りまでバスで移動するつもりだったが、美術館裏手の遊歩道に設置してある若林奮の作品が気になり、遊歩道を美術館裏手まで歩く。裏の遊歩道から喫茶室には入れるようだが、直接美術館に出入りはできないようだった。少し歩いて、近くの展望台に上がると、それほど遠くないところに高炉台公園が見えた。いささか道があやふやだったけれど、結局、そのまま遊歩道を抜け、丘の急斜面を下り、なんとか高炉台公園まで歩く。20分弱。
- 高炉台公園 高炉台公園は、1952年(昭和32年)、旧八幡市の市制40周年を記念し、熊本山公園を再整備の上、名前も高炉台公園と名前を変え、装いも新たに開園した総合公園。戦災復興の一環として、八幡製鉄所の高炉をイメージした鉄都誕生記念碑が設置、その周囲には、樽谷清太郎による《自由》《労働》《平和》《青春》と題された4基の彫刻が配された。その後、鉄都誕生記念碑は老朽化のために撤去され、併せて樽谷による4像も一時撤去されたようだが、新に高炉塔モニュメントが置かれ、4像も現在は野外音楽堂に再設置されている。芝生広場やさまざまな遊具、あるいはつつじ園など、高低のある敷地に配して、散策しているだけでも、なかなかおもしろい場所であるが、オレ的には先に挙げた樽谷の4像に加え、ギューちゃんの野外彫刻が目玉。
篠原有司男《兎と蛙の乗ったケンタウルス鉄鋼モーターサイクル》(1993)。1993年(平成5年)に開催された第2回国際鉄鋼シンポジウム「ザ・リサイクル」で制作された作品。
樽谷清太郎《自由》(1952)。
樽谷清太郎《労働》(1952)。
樽谷清太郎《平和》(1952)。
樽谷清太郎《青春》(1952)。
音楽堂の客席後方、ぐるっと取り囲むように設置されている。ギリシアの劇場みたい(って、よく知らないけれど…)。ここで、「メデイア」とか観てみたい。
こちらは、老朽化した「鉄都誕生記念碑」に替わって設置された「高炉塔モニュメント」。内部に螺旋階段があり、それを登ると、展望台になっている。登ってみたけれど、高所なんとかのオレにはちょっとこわい笑
- 高炉台公園の高台から下って、東田第一高炉史跡広場へ向かう。歩いて15分ほどか。途中のイオンモールのフードコートで遅い昼食にうどんを食べる。
- 続いて、最後の目的地の官営八幡製鐵所旧本事務所眺望スペースへ向かう。JRスペースワールド駅から10分弱。ぱっと見て、ぱっと去るつもりだったのだが、ボランティアの解説員の方がさっと現れ、詳しい解説を伺うことになった。
眺望スペースからレンガ造りの官営八幡製鐵所旧本事務所を遠望することができる。
- JRスペースワールド駅まで戻り、ここからJRで博多に向かう。1時間強で到着。時間に余裕があるので、少し早いが博多で少し早い夕飯を食べることにする。博多バスセンターのあるビルの8Fで、毎度おなじみ笑の、とんかつを食らう。ここ、安くて、量もあり、しかも、けっこう美味しかった。
昨年末で営業を終了したスペースワールドを望む。部分的に解体が始まっていた。
駅名はどうなるんだろう? しばらくはこのままらしいが…