萩(1)萩市石彫公園 萩とときわ公園(1)
- 第28回UBEビエンナーレ(現代彫刻展)を観に行ってきた。会場は宇部市のときわ公園である。ときわ公園は3回目だが、公園の外周に設置されている作品など観たことのない作品も多かったので、こちらも含め、じっくり観て回ることにした。また、初日はいろいろと考えた末に、萩を再訪することにした。萩は一度訪ねたことがあるが、そのときは定期観光バスで、主な観光地をざっと見て回っただけなので、今回はもう少し時間をかけてうろうろと彷徨ってみることにした(といっても、彫刻放浪なんだけどね)。
- では、出発。最寄り4:58発の始発バスで、羽田空港に向かう。T2には予定どおりの5:50頃に到着。地下のエアロでおにぎり買って、保安検査場Dを通過して、出発ゲートの70付近に移動、静かなところを探して、搭乗まで一寝入り、といういつものパターン。今日搭乗するのは、スターフライヤーSFJ011便、羽田7:20→9:05山口宇部空港の予定。15分前から搭乗が始まり、だいたい予定どおりの運航で、9:00頃に着陸して、9:05頃に扉が開いた。もちろん、機内ではチョコ付きコーヒーを飲んだ。
- 山口宇部空港から萩までの移動は、空港→新山口→萩市内とバスを乗り継ぐ方法もあるが、今回は時間を節約するために乗り合いタクシーを利用することにした。萩近鉄タクシーの運行で、空港と萩市内の間を約75分で結ぶ。料金は3700円(ちなみに、先に挙げたバスを乗り継ぐ場合は910円+1550円=2460円)。やや割高だが、バスに比べると、1時間ほど時間を節約することができる上、旧萩市内なら、目的地まで乗せていってくれる。乗客1人からの運行で、事前に予約が必要。
- 飛行機を降り、トイレに立ち寄って、乗り合いタクシーの受付に行く。ここで、予約した旨を告げると、9:20発の便に乗るのは、オレ一人だけということで、そのまま、出発となった。次便の9:50発は何人か乗客がいるようで、ジャンボタクシーが止まっていたが、オレが乗ったのは、普通のタクシーだった。きっかり75分ほどの乗車で目的地の萩市石彫公園に到着。クレジットカードやPayPayも使えるようだったが、今回は現金で支払った。
- 途中、通りかかった道の駅萩往還(たしか、前回、観光バスで萩に来た時にトイレ休憩か何かで立ち寄ったはず…)や萩駅前で、野外彫刻、というか、幕末・維新期の「偉人の銅像」を見かけた。萩往還のものはともかく(吉田松陰、はじめやたらとある、ある笑)、萩駅前の、鉄道の父、井上勝の「銅像」、《井上勝志気像》(制作は江里敏明)はじっくり観てみたかった気がしないこともないではない…笑
- 萩市石彫公園 現在、萩市石彫公園と呼ばれる萩城の西側にある公園で、1981年9月11日から11月15日の期間、萩国際彫刻シンポジウムが開催された。シンポジウム開催の背景には、萩市の都市計画があり、公園の南側にある萩浄化センターともども、公園の設置が計画されていた。そこで、彫刻シンポジウムを開催し、その成果として、石彫のモニュメントや遊具など、アーティスティックな「作品」を設置しようという目論見だったようだ。先に1978年に諏訪湖畔で開催された諏訪湖国際彫刻シンポジウムを参考に、実施のためのプランニングが練られた(オルガナイザーの横沢英一、アートディレクターの田辺武をはじめ、重複して参加しているアーティストも少なくない)。その結果、8カ国24名のアーティストたちが、このシンポジウムに参加し、アドバイザーとのミーティング、作家間のミーティングを経て、多くの協力者ともども、徳島市の黒髪島から持ち込まれた約400tの白御影石を使い、約2ヶ月の期間、作品を制作し、作品が設置された。シンポジウム後に、植栽やトイレ、サインなどを整備し、開園したのがこの萩市石彫公園ということになる。
萩国際彫刻シンポジウム
場所:萩市 指月西公園(現・石彫公園)
開催期間:1981年9月11日〜11月15日
参加作家:横沢英一(オルガナイザー)、田辺武(アートディレクター)、ポール・アッシェンバッハ、テリー・J・ディナン、江中順之丞、アン・ファーガソン、藤本春紀、ブラッド・ゴールドバーグ、マティアス・ヒッツ、ジェラード・ハウエル、和泉俊昭、兼田冒尚、片桐宏典、ジョン・メイン、丸山映、三輪栄造、宮内宏、永倉充博、長瀬正幸、内藤文男、ハイナー・リヒナー、ペーター・ローラー、八木ヨシオ、吉村典幸 24名
ヘルパー:岡本敦生、村井新吾
協力者:新庄貞嗣、岡田裕、本堀雄二、用沢修、大友香名子
事務責任者:斉藤武男
会長:菊屋嘉十郎(当時の萩市長)
主催:萩市
後援:文化庁、山口県、山口県教育委員会、国際交流基金
- モニュメント
モニュメントA
モニュメントB
モニュメントC
モニュメントCの、菊屋嘉十郎顕彰碑。「昭和59年12月」とあるので、シンポジウムの後に改めて取り付けられたのだろう。菊屋嘉十郎(1917−83)は、(旧)萩市長を1959年から1983年まで、6期連続で務めた人物で、在任中は文化財保護を積極的に推進したとのこと。この萩国際彫刻シンポジウムの会長も菊屋が務めた。
- 遊具
遊具A:幼児対象の遊具、距離感、球面の認識
遊具B:平均台
遊具C:主なる遊具、遊びの発見、心理的関わり
遊具D:滑り台
遊具E:コミュニケーションゾーンへの関連づけ
- ファミリープレース
- ベンチ
水飲み場A
水飲み場B
水飲み場C
- 水浴び場
- シンポジウム以降に、下記掲載の四阿やトイレなどが設置された。
この四阿はシンポジウムで制作されたものではなく、別に設置されたもの。「友愛の家」(1983)。国際ロータリー第271地区が1983−84年度年次大会を記念して寄贈。